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トーエネック、遠隔監視&現地診断サービスを開始

中部電力グループの電気工事大手、トーエネック(愛知県名古屋市、久米雄二社長)は5月19日、太陽光発電所向けの遠隔監視および現地診断の2つの新サービスを開始した。

一般的に監視システムは、監視の性能を上げるため、ストリング毎の機器の導入が推奨されているが、初期コストが課題となっている。そこで同社は、監視点数を接続箱単位にして計測点を減らし、独自のアルゴリズム『%電力量』という診断指標を策定した。高い診断精度を維持し、異常を自動検出するという。

『%電力量』とは、モジュールの定格出力・日射量・モジュール表面温度から計算した理論発電量、すなわち期待値に対する実測発電量の割合のこと。数値は1分毎に更新される。異常だと判断された場合は、インターネットを通じて同社および登録されているメールアドレスへ警報メールを発報するというものだ。

従来のストリング監視は、機器代で1MWあたり約1千万円を要したが、本製品では、650万円程度に抑えた。

一方の現地診断サービスは、太陽電池の出力低下が疑われる際、同社が現地でモジュールのEL測定を行うというもの。専用のカメラを用いて出力低下の可能性がある箇所を撮影する。

不具合のあるセルは、正常のセルと比べて発光が弱く黒く映し出されるため、異常セルの判断が容易にできる。出荷時にEL検査をしているパネルメーカーなら、その画像と比較することも可能だ。

技術開発室研究開発グループの西戸雄輝研究員は、「工事業者として安全にメンテナンスを行うのが基本。昼間、太陽光が発電している最中の計測は、機器によっては危険を伴う恐れがあるため、夜でも計測できるシステムを開発した。現地でEL検査ができることを知らない事業主の方もいるので、まずはこの手法を広めていきたい」と述べる。EL検査を用いた現地診断サービスの費用は個別見積もりで対応する。

新サービスは既に開始しており、まずは同社がEPC(設計・調達・建設)を手がけた発電所や既存の顧客に対して販売を強めていく考えだ。

西戸雄輝研究員

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