伊坂電気、14年度47%増収
今期30億円へ O&M、海外展開も本格化
太陽光のEPC(設計・調達・建設)である伊坂電気(大阪市中央区、西尾潤一社長)は、2015年3月期の売上高が前期比約47%増の25億円となった。今期については、10MW超の大規模発電所の工事を控えており、同比20%増の30億円を見込む。
同社は、これまで2MW未満のメガソーラーを中心にEPC事業を展開。市場の拡大に伴い、受注量を伸ばしてきた。経験や技術を買われて下請け工事に携わることも多く、前期売上高のうち約3分の2を占めたという。
小笠原忠好技術部長は、「まだまだ36円案件が残っており、今期も半分以上を占めるのでは。それに今期は、15MWや30MWといった大規模発電所がようやく着工する」と話す。今期は、それら大規模発電所の下請け工事に携わることもあり、売上高としては30億円を見込んでいる。
その一方、小笠原氏は、「工事物件はふんだんにあるが、4月になってパタッと新規申請案件が減った。今年は、認定済みを含むFIT案件の受注を獲得しつつ、新たな事業領域へ手を打ち出すことになるはずだ」という。
そこで同社はO&Mと省エネ事業、海外進出に着目する。
O&Mは、小笠原氏が理事長に就任し、日本太陽光メンテナンス協会を設立。今年から活動を本格化、全国規模の体制整備を目指している。省エネ事業については、蓄電池のピークカット・シフト活用だ。
そして、海外進出は、「中東や南アジアなど、海外の太陽光発電所の建設に携わるため、パートナーと共に新しい法人設立も視野に入れている。国内需要が残る間に海外事業を立ち上げたい」(小笠原氏)。
なお同社は、発電事業にも着手。今年3月に第一号として滋賀・安土で500kW発電所が稼働。その他、同じ滋賀・安土、岐阜・中津川でも計画中だ。