コムシスグループ、太陽光事業拡大
14年度EPC受注190億円、IPP65MW視界に
通信工事大手のコムシスグループが太陽光関連事業を伸ばしている。2014年度はグループ全体でのEPC(設計・調達・建設)受注額が前期比約84%増の190億円に成長したほか、IPP(独立系発電)事業も拡大。前期までに約15MWが稼働、18年3月期には合計64.5MWに達する見通しだ。
同グループはFITの開始に伴い、太陽光のIPP及びEPC事業を本格化させた。IPP事業はコムシスクリエイトが事業主として展開。EPCについては、日本コムシスやサンワコムシスエンジニアリングのほか、TOSYSやつうけんも手掛けている。
そのなかで中心を担うのが日本コムシス。14年度のグループでのEPC受注額190億円の半分強を占める。コムシスクリエイトのIPP事業におけるEPCも担当している。
日本コムシスの社会基盤事業本部環境・エネルギー部の小林隆重エネルギー部門長は、「前期は系統問題などから、スケジュールに遅れが生じた案件も多かった。これから契約が進んでいくはず。それに、まだ認定取得済み案件の引き合いもきているので、EPC事業のピークは今年度か来年度だとみている」と語る。
太陽光関連事業を進める一方で、〝ポスト太陽光事業〟への取組みにも着手。グループの短中期的な方針として、木質バイオマス発電所の事業化やESCO事業、電力小売事業、スマートグリッド事業を掲げる。
電力小売事業については、日本コムシス傘下の太陽光の販売・施工会社である日本エコシステムがPPS(特定規模電気事業者)に登録済み。コムシスクリエイトが保有する電源との連携や、他社とのアライアンスなども含めて事業展開を模索している。
小林部門長は、「日エコは、住宅用太陽光で3万5千棟を超える実績を持つ。電力だけでなく、蓄電池やHEMS、燃料電池なども可能性を秘めている」としたうえで、「環境・エネルギー事業はこれから主役になれるはずだ。水素社会もある。太陽光をきっかけとしながら、まだまだ伸ばせると思う」と語った。