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フジプレアム、追尾型システム発売初年度1MW

農地や駐車場へ積極提案

太陽電池モジュール製造のフジプレアム(兵庫県姫路市、松本倫長社長)は、昨春発売した追尾型太陽光発電システムを農地や駐車場に納入し、初年度1MW出荷した。15年度は2MW以上の出荷を目標に掲げている。

同社の追尾型太陽光発電システム

追尾型は、時間や季節によって変化する太陽の位置を算出し、直達光がモジュールに当たるように自動で架台を調整して発電量を稼ぐシステムである。向きのみが動く1軸型と、向きと角度で調整する2軸型があり、同社のシステムは2軸型だ。一般の固定型のシステムと比べると、年間の発電量は約1.4~1.5倍に増えるという。

追尾型は4~6kW分のモジュールを支柱で支える構造のため、地面と接する部分は支柱部分に限られる。土地を他の目的で利用できることから、同社は農地や駐車場への設置を提案している。

執行役員専務の大川拓志氏は「農地に導入すれば、営農型太陽光が実現する。追尾型は同じ場所に長時間日陰を作らないので、作物を選ばず営農できる。売電収入を得たり、農業機械の電源に使用したり、用途は広い」とメリットを語る。

昨年11月、同社が福島県いわき市の農地に納入した出力5.5kWの追尾型システム計75基が稼働した。隣接する土地に通常の固定型システムを558kW設置し、計970.5kWの太陽光発電所として運開した。

また追尾型は駐車場にも向く。駐車スペースを確保しつつ電源を確保できるため、たとえば電気自動車用の充電設備の電源にも利用できる。大川氏は「駐車場には潜在的なマーケットがある」とにらむ。

ただ目下の課題はコストだ。イニシャルコストは工事費を含め、固定型の倍になるという。事実、先述のいわき市の発電所の総工費は、約4億円にのぼっている。

大川氏は「今は実例を作っている段階だ。規制緩和など行政側の対応も不可欠で、普及には時間がかかる」としながらも「当社はメカトロニクス技術を生かして追尾型の稼動部分も製造している。モジュールについても、製造ラインから内製化しているので、歩留りやスループットを高めることができ、さらなるコスト低減は可能だ」と自信を覗かせる。

同社は追尾型システムの海外輸出も視野に入れている。

大川拓志執行役員

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