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サカキコーポレーション、無線通信対応システム発売

発電所の気象計測データ取り込み容易に

中心にあるのが子機

センサや計測器の輸入商社であるサカキコーポレーション(大阪市住吉区、坂木英一社長)は、今夏にも無線通信を採用したデータロギングシステムを発売する。日射計や気温計で測定したデータを無線通信で送信できる点が特徴で、後付け設置が容易なシステムとして提案を強めていく。

新発売するデータロギングシステムは、920MHz帯の無線通信網を活用する。データロギング機能を搭載する子機は、日射計や気温計などの計測機器から有線接続でデータを取り込み、無線通信網を使って親機にデータを送信。親機から先はイーサネットやWi-Fi、RS485、USBでの接続が可能だ。

取り込める計測データは機種によって異なる。製品ラインナップは50種類を超えており、「もともとはBEMS(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)や空調システムのために作られたもの。太陽光発電所で使う場合は、計測器を外付けする屋外用になるだろうが、計測センサを内蔵した屋内用もある」(坂木英一社長)。

日射量や温度のほか、湿度、気圧、照度、雨量、風向風速などの計測にも対応可能。太陽光向けとしては、日射計や気温計、パネル温度の計測に対応した機種が主力となりそうだ。

例えば、日射計と気温計の計測値を取り込める機種であれば、子機には、3万6000データを保存できる。内蔵電池の寿命は、測定サイクル5秒かつ無線通信間隔30秒の駆動で約2年である。

伊・デルタオームの日本総輸入元である同社は、太陽光分野向けに日射計や気温計などを拡販。今回の新製品もデルタオーム製で、欧米では13年秋より販売。日本向けについては、日射計・気温計計測タイプや、パネル温度計測も加えた機種を皮切りに、15年夏以降、順次供給していく方針だ。

「稼働済みの発電所のなかには気象測定器や遠隔監視システムが導入されていないものも多いと聞く。後付け需要も創出されるなかで、無線方式であれば、省設計・省配線で設置作業を簡素化できるはずだ」(同)。

また、今回のシステムでは、日射計、気温計、子機を一つの三脚に取り付けられるため、持ち運びも容易だ。O&Mを手掛ける企業にとっては、定期点検時などに現場の気象条件を確認するウェザーステーションの代わりに使えるかもしれない。

坂木社長は、「瞬時値の計測であれば、別にポータブル機器も揃えている。いずれにしても常設している機器と同じセンサを使うので、高レベルでの測定が可能」としたうえで、「無線方式を加えたことで、品揃えを拡充できた。様々な製品群のなかから、より最適なものを選んでもらえれば」と語った。

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