関西電機工業、一体型キュービクル2種提案
配電盤メーカーの関西電機工業(大阪府東大阪市、寺田哲也社長)は、受変電設備などを一体にした独自のパッケージ製品の販売を強化している。提案の幅を広げ、新規顧客の獲得につなげる。
同社は20年以上前に太陽光分野に参入。接続箱や直流集電箱、交流集電箱、系統連系用キュービクルなどの製販を手掛け、全国各地の太陽光発電所に納入してきた。昨年9月には関連機器を一式まとめた2種類のパッケージ製品を発売し、提案を強めている。
一つが、高圧受電部やPCS(パワーコンディショナ)、直流集電部、変圧器、エアコンを一体化したパッケージ商品だ。変圧器は発熱量を抑えるため、盤外設置しているが、それ以外は重耐塩仕様の収納盤に搭載。内蔵できるPCSはトランスレス型500kW機で、TMEIC(東芝三菱電機産業システム)や日立製作所、ダイヘン、ABBなどのPCSに対応。変圧器の容量は500kVA、最大2MWまで増設できる。
「出来る限りオールインワンで欲しいというニーズに応えた。太陽光パネルやPCSの種類、直列並列数などを教えてもらえれば、最適設計したものを納められる。工期の短縮化も図れるはずだ」(寺田哲也社長)。
もう一つの独自製品が、国内の太陽光マーケットで拡がりつつある小型PCSの分散設置型発電所を睨んだもの。高圧部と交流集電部、変圧器を一体化し、架台下に設置できる『ローカル盤』と高圧連系盤をセットにした商品で、小型PCSの容量は特に問わない。ローカル盤1台の変圧器容量は200kVAまたは300kVA。
例えば、25kWPCSで1MWシステムを構築する場合、ローカル盤1台(変圧器容量200kVA)にはPCSを8台接続し、昇圧。計8台のローカル盤に集まった電気は、1台の高圧連系盤に高圧配線でまとめられ、系統に繋がっていく。「高圧配線での分散設置なので、送電ロスの軽減効果が期待できる。また、接続箱や集電箱が要らないうえ、電線コストも減らせる。1MW以上でメリットを発揮できると思う」(同)。
また同社は、今年から太陽光発電所のメンテナンスサービスを開始。日本配電制御システム工業会の関西支部支部長で、日本太陽光メンテナンス協会の理事でもある寺田社長は、「両組織とも連携し、関西エリアで定期点検などのサービスを提供していく」とした。