YBK、PV向け防草材拡販へ
自然土舗装材の製販を手掛けるYBK工業(徳島県徳島市、山田茂人社長)が、太陽光発電施設用防草材『ソーラーガード』の出荷を伸ばしている。3月にメガソーラー向けとしては6ヵ所目の出荷を終え、中小規模向けには20件程の実績がある。発電所の建設が相次ぐなか、防草対策の重要性も徐々に高まっており、本格的に拡販を目指す。
同製品の特長は施工性だ。火力発電所から出る石炭灰(クリンカアッシュ)を主要原料とする同製品は、地面に敷き、散水してローラーで転圧するだけで施工が完了する。1日で固まり、2日後にはパネルの設置工事を開始できるという。
また安価なランニングコストも強みで、特販部の中田貴久夫担当部長によると、「仮に割れても、その部分にだけ製品を敷き、水で固めればよい。それほどコストはかからない」。
とくに同製品は建設発生土の土質区分において『第一種改良土』に当てはまり、役目を終えた後は現状土として埋め戻すことができる。処分場に運搬する費用や処分費がかからないため、割安になるという。これについて、中田担当部長は、「当社の製品の撤去費用は1㎡あたり350~400円ほど。コンクリートであれば1㎡あたり1000円はかかるし、防草シートも同700~800円はかかるだろう。特に防草シートは紫外線に弱く20年間で2~3回は変える必要があるため、撤去費用は嵩む」という。
しかし、弱点はイニシャルコストの高さだ。同製品は材工込みで1500円~1800円ほど。他の材料に比べると高いようだ。それでも、材料にクリンカアッシュを使用しているため、「従来の表土被覆工法に比べると軽量で、輸送コストが抑えられ、50%以上のコスト低減になっている」。
同製品は、新規案件以外に稼働済みの発電所に対しても導入できる。同社の実績のうち、約半分がストックマーケット向けだという。
同社は10年より太陽光向け製品の開発を始め、12年春頃から『ソーラーガード』の販売を開始した。同製品の売上は12年9月期が約5000万円、14年9月期が約1億円で、今期は2億円を目標としている。
「課題はイニシャルコストと実績。ここを克服しながら出荷を伸ばしていきたい」(中田担当部長)。