中・PCS大手サングロウ、日本市場へ本格展開
日本法人設立、34kW機で分散設置を
太陽光用PCS(パワーコンディショナ)大手である中国・サングロウが日本市場での事業展開を強めている。昨年末に日本法人であるサングロウジャパン(東京都港区)を設立、今年は40MWの国内出荷を目指している。
1997年設立のサングロウは、中国国内を中心に、欧米や豪州など、世界各国で急速にシェアを伸ばすPCSメーカーだ。2014年のPCS出荷実績は4.2GW。「11年に世界5位のPCSメーカーとなり、13年からは2年連続で世界2位の出荷量を達成した」(サングロウジャパンの趙天工営業マネジャー)。
同社は、住宅用の単相機種から数10kW級の三相機種、500kW~2MWクラスの大型機まで、幅広い品揃えを持つ。日本市場については、12年から製品開発に着手、翌年から日本仕様品の販売を開始した。まず発売したのは、直流電圧1000V対応の三相34kW機。防塵・防水性能IP65に準拠した屋外仕様型である。
趙営業マネジャーは、「日本では、狭い土地に太陽光発電所を建設することも多く、分散設置で優位性が生みだせると考えた。日本で販売しているPCSの同シリーズは、世界で1.5万台以上の実績があり、故障率も1%以下。重さ65㎏と軽量で、価格競争力もある」と特長を述べる。
14年の日本向け販売量は10数MW。これまでに東京電力や中部電力管内での連系実績を有しているという。
また同社は、三相49.5kW機や、最大効率が99%である60kW機の日本仕様品を準備中だ。49.5kW機については、外付けトランスをセットにして、50kW未満の小規模産業用向けに提案していく方針で、6月の販売開始を目指している。
「セット販売でも、国内メーカー製の絶縁トランス内蔵型や単相機種と戦える価格帯で提供していくつもり。重さは70㎏で、MPPT(最大電力点追従)を4回路搭載している」(趙営業マネジャー)。
今後については、「販売からアフターサービスまで、より良いサービスを提供していきたい。アフターについては、3月にも決まる予定のパートナー企業と協力し、しっかりと体制を整備していく」としたうえで、「今年は日本で40MWを販売したい」と語った。