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ケミトックス、太陽電池を現地で検査

10月サービス開始へ

移動式PVラボ(イメージ)

第三者試験機関であるケミトックス(東京都大田区、中山紘一CEO)が、現場サイトでの太陽電池検査サービスを今年10月にも開始する。発電所の定期検査や不具合発生時の調査サービスとして提供していく方針だ。

同社の新サービス、『移動式PVラボ』は、コンテナ内に試験設備を搭載した4tトラックで移動し、現場サイトで太陽電池を試験するもの。現場の太陽電池モジュールを取り外してコンテナ内に持ち込み、1枚単位でI-V特性測定やEL検査、絶縁抵抗試験を実施する。

PV・材料統括責任者の坂本清彦取締役は、「山梨試験センターでモジュールの受入検査サービスを提供しているなかで、現場サイトでできないかという要望もあり、サービスを開発した。最大の特長は、STC(標準試験条件)におけるI-V特性測定を行えることだ」と話す。

STCとは、温度25℃±2℃、AM1.5で日射強度1000W/㎡という測定条件のことで、モジュールの公称最大出力の測定条件である。つまり、ラベルに記載された数値と実際の数値を補正せずに比較できるのだ。

活用方法としては、現地に納入されるモジュールの抜き取りでの受入検査や定期点検、スポットでの不具合調査などが想定される。「特に初期値の確認は重要だと思う。配送途中に破損するケースもあるし、実際の数値はラベルの数値と必ずしも一致しないので、中長期的な経年劣化を確認していくには、正確な値を取ることが大切だ」(坂本取締役)。

同サービスの処理能力は、1日60~80枚(I−V特性測定及びEL検査)。サービス料は、基本料金に1枚当たりの単価が加わるため、発電所1ヶ所につき、試験枚数20枚以上を推奨している。試験結果は、その場で確認できるほか、データシートも発行される。報告書が必要な場合は別途対応する。

その他、現場で各種測定も行う。PCS(パワーコンディショナ)を接続したままでの複数ストリングの最大出力電流比較や、PCSの接続を解除してのストリング毎のI-V特性測定、サーモグラフィ測定なども試験メニューに加える。

『移動式PVラボ』は8月末に完成を予定しており、サービス開始は10月となる模様だ。坂本取締役は、「EPCや商社、発電事業者、O&M企業など、幅広く活用してもらえれば。開始後は、トラック移動のスケジュールを事前に公開するなど効率的に運用できればと思う。現場での試験サービスも拡充していきたい」とした。

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