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日本ベネックス、太陽光と蓄電池のピークカットシステム実証試験開始へ

システムイメージ図

太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)を手掛ける日本ベネックス(長崎県諫早市、小林征春社長)は今春、長崎県の本社工場で太陽光と蓄電池を取り入れた電力のピークカットシステムの実証試験を開始する。今年3月に蓄電システムの試験を開始し、4月に太陽光システムが稼働する予定。太陽光で発電した電力を系統に流さずに使用することで、再エネの売電以外の活路を見出す。

同システムは、出力約60kWの太陽光発電設備と48kWhのリチウムイオン蓄電池、DC/AC双方向インバータ、デマンドコントローラーから成る。太陽光で発電した電力は系統に逆潮流することなく自家消費し、余剰分と夜間の安い電力を蓄電池に貯める。昼間、工場の電力使用量があらかじめ設定していた値を過ぎると、デマンドコントローラーが指令を出し、蓄電池に貯めていた電力を放電させる仕組み。エアコンなどの機器停止もデマンドコントローラーによって行われる。

電気料金の基本料は使用電力の最大需要電力で決まるため、ピークを抑えることで基本料金も抑えられる。同社の小林洋平取締役副社長は、「今回のシステムでは、年間300~400万円ほどの電気料金の削減を目標としている」と語る。また、同システムは災害時などのバックアップ電源としても活用する。

同事業は、長崎県の「長崎県元気なものづくり企業成長応援事業」に認定された助成事業。総投資額は約4000万円で、うち2000万円は補助金を活用している。小林副社長は「FITはいつまでも続かない。売電を主とした事業の先を見据えて、今回の実証試験に着手した」と経緯を語る。

また、今回の事業を始めるにあたって、同社は蓄電池の収納盤を開発した。今後は外販も視野に入れている。

同社の2015年3月期の太陽光事業の売上は、前期比3倍超えとなる10億円で決着しそうだ。自社発電所も含めて、施工実績は3月末時点で10MWに到達する予定。「来年度は関東を中心に自社発電所の開発に重点を置いて事業展開していく」(小林副社長)。

蓄電池収納盤の内観(3D)

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