ウェーブエナジー、PCSパッケージ製品のラインナップ拡充
ミドルと特高向け追加
配電盤メーカーのウェーブエナジー(東京都港区、佐伯一郎社長)は今春より、太陽光発電所向けのPCS(パワーコンディショナ)と高圧盤の一体型製品『SOLAR SPEC』の新製品を発売する。新しく追加するのは300kW機と1500kW機。適地の減少などによる発電規模の多様化に応える。
同社がこれまで出荷している製品は、250kW、500kW、630kW、665kW、750kWの5製品。うち630kW以上の3製品は1000V対応だ。PCSは東芝三菱電機産業システム製を、高圧専用変圧器は三菱電機製を採用している。
今回の300kW機と、750kW機を2台収納した1500kW機は2月に発表し、今春販売を開始する。300kW機はPCSを従来とは異なる国内メーカーの製品を使用する。
同社取締役の宇野裕香営業部長は、「今後は発電所建設に適した土地の減少により、数百kW規模の発電所が多くなる。あるいは、ゴルフ場跡地などを活用した特高案件が増えるなど、2極化が進むと想定した」と開発の経緯を語る。
新製品の発売にあたり、既存製品もモデルチェンジする。250kW機は室外機1台、それ以外の製品は室外機1台と室内機2台であったものを、4台の冷却ユニットに変更する。「PCSはエアコンが故障すると使えない。冷却ユニットを4台入れることで、仮に1台が故障してもPCSを止めることなく使用できる」(同社営業部の宮本充本店営業課長)。
また、集電用遮断器は、これまで630kW以上の製品はヒューズで対応していたが、今後は海外製の遮断機を採用し、製品に組み込む予定だ。
同社は2012年に同製品の販売を開始した。これまでに累計約500台を出荷。3月末には出荷台数が700台を超える見込みだ。これまでの主力製品は500kW機で、全体出荷の7割以上を占める。
同社は他にも遠隔監視システム『SOLAR WATCH』の製販も行っている。同製品は13年より販売を開始。インターネットを通じて遠隔から発電所の運転状況を監視できるほか、PCSのオンオフ切り替えも可能としている。
14年には3G回線による遠隔監視装置『SOLAR SCOPE』を開発、販売を開始した。インターネット回線の契約や設置工事が不要となり、コスト低減にも繋がる。『SOLAR WATCH』と併用することで、インターネットに繋ぐことなく、遠隔からの監視、PCSの出力制御も可能となる。
同社の14年9月期の売上は前期比145%となる約67億円だった。今期は新製品を投入するなどさらなる市場拡大を目指し、80億円を目指す。