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テイパ、パネル冷却・洗浄装置提案

韓企業と協力

パネルに設置されたノズルから散水し、冷却・洗浄する

福岡のガラス工事会社テイパ(福岡市、小原弘行社長)が、太陽光パネルの冷却・洗浄装置の提案を強めている。パネルに水をかけて冷却・洗浄し、発電量の低下を抑える。装置を製造する韓国企業と協力して日本の発電事業者に売り込む狙いだ。

結晶シリコン系の太陽光パネルは、表面の温度が上がると発電性能が落ちる。表面に土や埃が付着すると、光の吸収率が低下して発電量が減る。

今回の装置は、パネルの表面に水を散水して冷却するとともに、水圧で汚れを取り除き、発電量の低下を防ぐ。井戸からタンクに水を汲み上げ、専用のフィルタで不純物を除去し、自動で散水するシステムだ。パネル表面の温度を常時計測し、必要なときに作動する制御機能が搭載されている。

1MWの太陽光発電所であれば、夏場は1日60~70tの水を20回に分けて散水する。1MWあたりの価格は、設備費のほか井戸の掘削や配管工事などの施工費も合わせると約3000万円としている。

テイパの鈴木健太郎営業部長は、「シリコン系のモジュールは、表面温度が25℃から1℃上昇する度に出力が0.5%低下する。夏場は20%以上発電量が落ちる」とし、「このシステムを導入すれば発電量がアップする。初期コストがかかっても5~7年で回収できる。韓国では導入が進み、設置実績は100MWを超えた」という。

同装置を製造しているのは、太陽光関連の周辺機器メーカー、韓ハイレベン社だ。商品名は『サンアップ』。テイパは日本向けの販売で協力しており、現在、複数の発電事業者と商談を進めている。

 

光触媒で自動洗浄

テイパは、太陽光パネル用のコーティング剤の販売にも力を入れている。紫外線が当たると酸化力を生み、表面の汚れを分解する光触媒を用いたもの。昨年1月に製品化した。

光触媒のコーティング剤は、外壁の塗装に使用されており、原料には酸化チタンが多く使われている。だが、「酸化チタンをパネルに塗布すると、ガラスの透明度が落ちる」(鈴木部長)ため、同社はチタニアシリカを用いた新たなコーティング剤を独自に開発した。

鈴木部長は、「ARコートの代替品として、モジュールメーカーに生産ラインで使ってもらいたい。すでに複数のメーカーで試験的に使っていただいている」としている。

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