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日本太陽光メンテナンス協会、本格始動

太陽光発電所のO&Mを徹底支援へ

売電期間が20年以上に亘る10kW以上の太陽光発電所において、安定稼働させるための適切なO&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)は欠かせない。だが、中小規模のEPC(設計・調達・建設)業者や販売・施工店にとっては、全国規模でのO&M体制を敷くことが難しいうえ、それらに関する技術を学ぶ機会も少ないようだ。そういった課題を解決すべく、2月20日、日本太陽光メンテナンス協会(兵庫県神戸市、小笠原忠好理事長、以下JSMA)が本格始動した。

JSMAは、2014年1月31日に設立された一般社団法人。理事長は1992年から20年以上に亘り、国内外の太陽光発電所のEPCを手掛けてきた伊坂電気の小笠原忠好氏。関西電機工業社長で日本配電制御システム工業会の常任理事関西支部長でもある寺田哲也氏や、リケン工業社長の安達寛氏も理事として名を連ねている。

会員企業の対象となるのは、太陽光の施工会社や販社、O&M企業など。太陽電池メーカーやPCS(パワーコンディショナ)メーカー、商社などは、賛助会員として募る。全国の電気管理技術者協会や日本配電制御システム工業会とも連携していく予定だ。

小笠原理事長は、「日々の発電状況が事業収益に反映される太陽光発電事業では、しっかりと保守を行い、最適な動作環境を維持することが必要。メンテナンスに関する方法論や技術的な問題への対処法など学ぶべきことは多いが、いち施工会社や販社にとって、スキルアップのチャンスは少ない。そういった機会を提供できる場が必要と考え、協会を立ち上げた。この1年準備を進めていたが、多くの発電所が動き出していることもあり、本格始動させた」と経緯を語る。

協会の主な役割はO&M事業の支援。小笠原理事長は、「協会がメンテナンス作業をするわけではない。あくまで会員さんが直接(事業主と)契約して、O&Mを行うことになる。PCSの交換部品などに充てる積立金を預託金の形で協会に預けてもらい、そのなかから、業務を提供できるようにすることも検討している。費用は繰り越せるので、もし年間のO&M費を上回るような事態が発生したとしても、エンドユーザーの急な負担を軽減することができると思う」と話す。

また、太陽光発電所は、全国各地に点在している。地元案件にとどまらず、様々な地域でEPCを手掛けるケースも多い。「その場合、定期点検はいいが、突発的な事態への対応は大変。協会としてネットワークを構築することで、会員同士で協力し、補完しながらO&Mを進めていくことができる」(小笠原理事長)。

協会では、会員企業のスキルアップも目指す。O&Mに関するガイドラインを策定するほか、勉強会や研修会を定期的に実施する予定だ。高価なO&M機器を協会で購入し、会員へ貸し出すことも検討しているという。

小笠原理事長は、「ぜひ全国各地の中小規模のEPCさんに参加してもらい、チームとしてより良いO&Mを提供していければ」と述べた。

小笠原忠好理事長

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