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PGSホーム、色素増感太陽電池の新型電解質開発

住宅塗装を手掛けるPGSホーム(大阪市東成区、池口護社長)は昨年12月、奈良先端科学技術大学院大学と共同で色素増感太陽電池に使用する高耐久性電解質の開発に成功した。

従来のアセトニトリル系電解液には、電解液の揮発・飛散により電池性能が劣化するという課題があった。今回のパーフルオロカルボン酸樹脂をベースとした疑似固体電解質は、従来の電解質の10倍以上の耐久性があるという。色素増感太陽電池の実用化に寄与する可能性も出てきた。

同社の内部監査室室長の中根大輔取締役は、「我々は光触媒の塗装を行っており、その代表が色素増感太陽電池にも使用されている酸化チタン。それに対する見識もあり、4年程前から色素増感太陽電池の研究開発を進めて独・架台メーカー、クリナーの代理店であるケイジェイシー(東京都荒川区、文大成社長)が、メガソーラー向けの架台販売と施工で売上を伸ばしている。14年12月期の売上は、前年度比ほぼ倍増の10億円だった。特高案件の施工が売上を牽引した。同社は、クリナー製のスパイラル杭と架台を用いた施工を行っており、部材のみの卸販売は行わない。現在は自社で10台の杭打機を所有しており、同社の施工ライセンスを持った約40名が施工を手掛ける。同社の文社長は、「部材を販売すれば出荷量は増えるが、施工品質を担保することができない。スパイラル杭は、回す力と地面に押し込む力の2つのバランスが重要で、杭打機の操作技術も要する。確かな引張強度を出すためいた」と語る。また、「既に関連特許は5件出願している。3年後を目途に、防犯カメラの電源に使うなど実用化を目指している。最終的には我々がパネルメーカーとなり、薄くて小さい太陽光パネルを市場に提供したい」と語った。

同社は主に既築住宅向けに太陽光システムの施工・販売を手掛け、訪問販売を中心に実績を重ねている。今年9月期の太陽光事業の売上目標は前期比3倍近い4億円超としている。

中根取締役は、「太陽光市場は先行きが不透明だが、指定電気事業者に指定されていない関西電力管内をメインに事業展開している。まだまだ開拓の余地はある」と語る。

中根大輔取締役

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