力電、変圧器一体型の高圧盤開発
半年で30台出荷
再生可能エネルギー関連機器製造の力電(香川県高松市、本家正雄社長)は太陽光発電設備向けの変圧器一体型の高圧盤を開発、2023年夏の発売から12月末までの約半年で30台販売した。省スペース化を可能にし、自家消費用や〝非FIT〟太陽光発電所へ出荷した。今後は全負荷対応の自動切替盤やEV(電気自動車)急速充電器用の高圧受電設備を売り出す構えだ。
同社が開発した変圧器一体型の高圧盤は、変圧器の上部に高圧盤と低圧盤を取り付けたもの。下部の変圧器から熱が放出されるため、同社はUPS(無停電電源装置)や継電器、監視装置などの熱に弱い電子機器類を別の筐体に収納し、架台下に設置できるようにした。
特徴は、縦型の一体型設備ゆえ、設置スペースの削減や接続作業の簡素化が可能になる点だ。同社によると、変圧器が外気と接していることから冷却設備は不要になるという。変圧器は容量別に300kVA、500kVA、750kVAの3種類である。
同社は22年1月から営業を開始。23年春頃からは国内の協力企業に製造を委託し、独自に設計した再エネ関連機器の販売を始めた。第一弾が変圧器一体型の高圧盤で、23年夏に出荷し、半年で30台納入した。本家社長は「出荷先は、屋根上設置の自家消費向けと地上設置型の非FIT発電所向けが半々だ」と語る。現在は直接販売しているが、代理店経由での販売も検討していく。
また、同社は新製品の投入準備を進めている。まず住宅用ハイブリッド型蓄電設備向けの全負荷対応自動切替盤で、100Aまで対応しつつ、屋外に設置できるようにした。さらに、EV急速充電器用の高圧受電設備も開発中で、本家社長は、「行く行くは急速充電器だけでなく、太陽光発電設備や蓄電設備にも1台で対応できるようにする考えだが、まず急速充電器対応品から発売する」と語った。