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三進金属工業、太陽光架台出荷5倍50MWへ

同社製架台を使用した太陽光

スチールラックメーカーの三進金属工業(大阪府泉北郡、新井宏昌社長)が、太陽光向け鉄製架台の出荷を伸ばしている。陸屋根用架台と野立て用架台を、今年8月までに前年実績の10MWを大幅に上回る約40MW販売。受注残もあり、今年は50MWに到達する見通しだ。

同社の太陽光向け架台は、案件に合わせて強度や傾斜角などを決めて製造する。陸屋根用と野立て用に特化し、部材には高耐食性のめっき鋼板を採用している。製品の特長について、同社の新井宏幸代表取締役専務は、「できるだけビスを使用しない構造にして施工性を高めている。また、大学と共同で試験を行うなど、ラックの製販で培った技術を基に、安心・安全というメーカーとしての責任を大前提として製造を行っている」と語る。

同社は工場などに卸すスチールラックメーカーだ。薄板換算で、月間2500~3000tの生産能力を誇る。創業50年。今年、同社福島工場が「緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」を受賞するなど、環境配慮にも献身的だ。

その同社が太陽光向けの架台を開発したのが2008年頃。新井専務は、「昔は役所や環境意識の高い人が太陽光を設置していた。そういう人たちから建物に太陽光を載せたいという依頼があり、スチールラックの部材を応用して製品を作ったのが始まり」と経緯を語る。当時は学校の屋上などに年間4件程納入していた。

受注拡大のきっかけはFIT(固定価格買取り制度)の開始だった。10年から12年の年間出荷量は3MWほどだったが、13年は10MWと急増。そして今年は8月末時点で40MWを出荷した。「我々の製品は強度を高めているため一見大きく、それゆえ高額と思われがちだが、施工性が良く、トータルでのコストダウンに繋がる。リピーターが多い」と新井専務は語る。

同社は架台に加えて、屋根用太陽光取付金具メーカーにラックなどに使用される部材を販売している。同社の14年9月期の売上高は194億円、うち太陽光関連が約20億円となる模様だ。

新井宏幸代表取締役専務

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