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台・デルタ電子、複数台連系対応PCSで低圧向け販売強化

台湾の電源メーカーであるデルタ電子(日本法人・東京都港区、柯進興社長)は、今年から複数台連系対応(JEM1498準拠)の屋外型PCS(パワーコンディショナ)の新製品を次々と発売した。出力4kW機をはじめ、4.5kW、5.5kW、5.9kWの計4機種を市場へ投入。様々なバリエーションでの供給が可能となり、住宅向けや50kW未満の低圧向けに販売を強化していく。

同製品の電力変換効率は96~96.5%。全製品アルミ筐体の完全密閉構造で、質量は20~25㎏と軽い。防水・防塵に関する保護等級はIP65に準拠しており、塩害地域にも設置することが可能だ。ファンレスの自然冷却設計を施し、騒音レベルは24dB以下と静粛性を高めた。

デルタ電子大阪営業所の宮崎偉生所長は「我々は電源を作っているので、高効率化技術に加え、放熱技術のノウハウもある。それらを駆使してファンレス構造とすることで、軽量化と静粛性の向上を実現した」と語る。

同社は2004年に太陽光市場へ参入後、07年にJET認証を取得、日本企業へのOEM(他社ブランドでの生産)、ODM(他社ブランドでの設計・生産)をスタートした。屋外型の4kW機を中心に5年間で累計3万台出荷。13年からは自社ブランドの4kW機を売り出し、同年は計約3万1000台販売した。

同社の日本市場におけるPCS販売は、12年までほとんど住宅向けだったが、FIT(全量買取り制度)の開始に伴い産業用向けの比率が増え、14年はほぼ半々で推移しているという。今年の出荷台数は前年並みの3万台ペースである。

宮崎所長は「太陽光は今後も欠かせないエネルギー。引き続き住宅や低圧連系小中規模システム分野を中心にPCSを販売していく。IPP(独立系発電)事業やPCS以外の製品開発も視野に、確実に事業を展開していきたい」と語る。

宮崎偉生所長

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