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イワテック、IPP11MW計画

今期EPC25MWへ

上:イワテック第一ソーラー発電所(長崎市琴海) 左下:イワテック第三ソーラー発電所(長崎県雲仙市) 右下:建設が進むイワテック第五ソーラー発電所(長崎県佐世保市)

発電プラントのエンジニアリング会社であるイワテック(長崎県長崎市、岩元孝一郎CEO)は、九州地方で5ヶ所、合計10MWの太陽光のIPP(独立系発電)事業を計画している。そのうち2ヶ所が稼働済みで、残り3ヶ所も連系承諾書を得ており、順次運転を開始させていく予定だ。

同社が開発している太陽光発電所は、長崎・琴海1MW、佐世保1.2MW及び6MW、雲仙1.2MW、鹿児島・薩摩川内1.5MWの計10.9MW。長崎・琴海が2014年1月、佐世保の1.2MWが同年3月に運転を開始した。そのほかの3ヶ所も全て連系承諾書を受け取っており、今回の九州電力による回答保留の対象外である。

岩元孝一郎CEOは、「安定収益基盤になり得ると考え、IPP事業を始めた。長崎・琴海の発電所は、パネルの直列枚数を変えたり、隣に50kW発電所を別途設置し、3種類の工法を採用したりして、試験設備的な意味合いもある」と話す。

同社は火力発電所のエンジニアリング会社として創業。クウェートやケニア、ドミニカ共和国、サウジアラビア、インド、イランなどで発電プラントのエンジニアリングに携わり、現在インドに支社を構える。06年頃に太陽光への参入を決め、09年にはOEM(他社ブランドで生産)で調達した住宅用システムをJ-PEC登録。システム販売を開始した。

FIT開始後は、プラントエンジニアリングのノウハウを活かして、産業用太陽光のEPC(設計・調達・建設)事業にも進出。パネルは中国大手からのOEMで仕入れた独自仕様品を採用している。

「建設は協力業者に依頼する場合もあるが、基本的に設計とシステム調達は自社で手掛ける。O&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)も請け負っている」(岩元CEO)。

14年3月期のEPC実績は約13MW。今期は25MWを目指す。対応エリアは北海道を除く全国だ。

今後は、「太陽光に限らず、地熱や小水力、バイオマスといった再エネのEPCやIPP事業も実施していきたい。海外展開も視野にはある」とし、今期から新たに開発部を立ち上げ、小水力や地熱発電に関する取組みを本格化させた。

「バイオマスは、インド支社にいる火力のプロと協力していく。太陽光は住宅用もある。コストや品質、メンテナンスも含めてよりよいシステムを供給していきたい」(同)。

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