ユニ・ロット、太陽光部門 急成長
太陽光ディベロッパーのユニ・ロット(大阪市中央区、余根田義幸社長)は、2015年3月期の太陽光事業の売上高が前期の約37億円に対して倍増ペースで推移している。九州電力による再エネの受け入れ中断の影響もほぼ受けておらず、今期の売上は計画通り推移する模様だ。
同社は現在、産業用の野立て案件に特化して土地開発から工事まで一貫して請け負うディベロップ事業を展開。30MWクラスの特別高圧案件を手掛けるほか、2MW未満の高圧案件の受注も、今期はすでに2件完工した。このほか5件ほど建設しており、一部は今期内に完成する予定だ。
九州での展開も多く、建設中断の影響も少しはあるようだが、同社企画部の新井智本部長は、「九電の回答保留で中断している案件は35件ほどあるが、系統連系承諾通知書を取得済み案件もあるので、今期の売上には影響しない」という。
同社は12年初めに太陽光市場へ参入した。住宅用システムの施工・販売や産業用のEPC(設計・調達・建設)で実績を上げ、住宅用は月間約30件ペースで販売、屋根上や小規模産業用も20件ほど手掛けた。
しかし、13年半ば頃から産業用の野立て案件に全面シフトし、以後ディベロップ事業を推進する。太陽光パネルは海外製を中心に扱い、パワーコンディショナは、大規模案件は日立製作所と東芝三菱電機産業システムの製品が大半だ。
その同社は、今年から日立ハイテクノロジーズと共同で独・テラフィックス製の斜面30度まで設置可能な杭・架台システムの販売に着手する。日立ハイテクノロジーズが輸入し、ユニ・ロットが施工する。
新井本部長は「杭基礎は工期の短縮に繋がり、低コスト化が図れる。土地の造成も最低限に抑えることができ、環境に優しい」と語る。
なお、同社は自社初となる太陽光発電所の今年度中の稼働も目指している。また、電力自由化を見据え新電力会社「HTエコロジー」を設立、来年4月に事業を本格化する予定だ。