仏シエル・テール・インターナショナル、兵庫の2.9MW水上設置メガソーラーへ架台供給
3月までに60MW目指す
水上設置太陽光発電のパイオニア企業であるフランスのシエル・テール・インターナショナルは、9月より兵庫県加東市の西平池と東平池で建設される水上設置型メガソーラーに架台を供給する。出力は1.7MWと1.2MWで、合わせて2.9MW。同社は15年3月までに日本で60MWの供給を目指している。
同発電所は、京セラと東京センチュリーリースが共同出資して設立したSPC(特別目的会社)が事業主となる。京セラが太陽光パネルの供給と周辺機器の供給、建設・保守・維持管理を、東京センチュリーリースがファイナンス等を担当。そして、シエル・テール・インターナショナルが水上架台と設置技術を提供する。また、池の開発も同社が担当しており、池の賃貸借契約や設備認定、系統連系の申し込み等を行った。
シエル・テール・インターナショナルの水上架台は非常にシンプルな構成で、パネルを支えるメインフロート、作業用通路として使う第2フロート、それらを連結するピン、そしてパネル取付ガスケットの4部品の組み合わせで構成される。工具の使用がほぼ不要で、2週間で1MWの架台を成形することができる。
また、組み合わせ次第で様々な形に成形でき、多様な池やダムなどの水面設置を可能とする。素材は紫外線や腐食に強いとされる高密度ポリエチレンが使用されており、100%リサイクルできる。架台取付角度は12度となっている。
同社は架台の供給と、架台を設置するために池底や岸などに打つアンカーの設計を行う。また、池の開発を担当する案件もある。
同社はフランスなど海外で6MW以上の水上設置の実績を持つ。13年に南アフリカと日本に子会社を設立。日本では9月までに稼働する水上設置発電所の案件4件、合計約3.8MW供給した。
シエル・テール・ジャパンの森一セールスマネージャーは「陸上設置に比べると架台コストは高いが、今回のように日本企業と提携し、共同でEPCコストを下げるなどコスト低減に取り組んでいきたい。実績を重ねることも重要。3月までに60MWを目標としている」と語った。