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君岡鉄工、今期売上5%増9億円へ

9月下旬よりドブめっき製品の量産開始

(左)尖端部(右)施工現場

打ち込み杭の製造を手掛ける君岡鉄工(奈良市藺生町、君岡誠治社長)は、2014年11月期の売上高が前期比約5%増で推移しており、9億円に到達しそうだ。12年夏に太陽光市場に参入後は受注が殺到し欠品続きだったが、人員を増やすなど販売体制を整えた。9月下旬からは新製品の販売開始を予定している。

同社は工事現場の足場などに使用される打ち込み杭『くい丸』専門メーカーだ。94年に販売を開始して以来、550万本以上を出荷している。12年夏に太陽光市場へ参入。13年11月期の売上は前期比40%増の8.5億円に伸びた。

すべて自社製造のため急激な受注増に対して出荷が間に合わず、工場を週5営業から、交代制で週7営業へと変えた。人員も当時の15名から30名ほどに増やした。その結果、12年の夏から14年5月頃までは納期が3ヵ月ほどかかっていたが、今は1ヵ月ほどで納品できているという。

『くい丸』の特長について企画部の君岡銀兵部長は「尖端部に尖った硬いハガネ材を使用しており、アスファルトにも施工することができる。また、地面に打ち込む際、地盤をあまり緩めずに入るため、単管と比べ引抜強度は2.5倍ほどになる」という。2.5倍という数字は、同社と関西大学が11年に共同で行った鉛直支持力性能試験の結果が基になっている。価格は単管の3倍ほどであるが、強度が高い分、単管に比べて少ない本数で済み、また先端が尖っているため打ち込み易いなど施工性に優れる。加えて、同製品は両端部が密閉構造で全周溶接しているために壊れにくく、繰り返し使用することも可能だ。

同製品の鋼管部はすべて先めっき鋼管。顧客からの要望があればオプションとして溶融亜鉛めっき鋼管、いわゆるドブめっき鋼管のものを出荷していたが、9月下旬より新製品としてラインアップに加える方針だ。君岡部長は「価格は先めっき製の物に比べると20~25%高くなるが、先めっきに比べると亜鉛の量が多いのが特徴。以前から太陽光向けのニーズが多かったので、量産化へと踏み切る」と語った。

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