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チャイナサナジー、日本出荷好調65MW

新工場 日本で検討

中国の太陽電池メーカー、チャイナサナジー(中国南京市、以下CSUN)の日本向けモジュール出荷が好調だ。日本法人を設立した14年4月以降、65MWを出荷。日本でモジュール工場の建設を検討している。

同社は12年から、OEM(他社ブランドでの生産)で日本向けモジュールを製造していたが、日本法人設立後、CSUNブランドとしてモジュールの販売を開始。設立から4ヵ月で65MWを出荷した。

日本法人の劉雲洲代表取締役社長は、「モジュール出荷量だけを見れば日本は中国を上回る。来月以降も1ヵ月5MW以上の出荷は手堅いだろう。OEM生産も含めて、14年150MWの出荷を目指す」と話している。

今後の日本市場について劉社長は、「来年度以降FITの価格が下がっても、世界的にはまだ高い。野立て設置はEPC(設計・調達・建設)コストが高いので、住宅用システムの販売を強化する」と述べた。

同社は、14年の海外を含むモジュール総出荷量を550MWと予想。うち3割が日本向けだ。今後日本での工場建設を検討している。共同出資する国内のパートナー企業も目途がつき、現在用地を探している。

「人件費高は製造ラインの自動化で対応する。また、日本の融資金利は中国と比べて5~6%低いのも魅力だ。〝メイドインジャパン〟は日本だけでなく世界で評価される価値ある概念。中国にある生産能力を一部日本に移すようなイメージを考えている」。

本拠地中国では第1、第2四半期の需要が低迷。第3四半期から回復傾向だが、当初予測していた14GWの需要予測は、12GWに引き下がった。

「中国国内のコスト競争は非常に激しい。また、支払が滞る企業もあり、資金繰りが悪くなるなど不安要素が多い。モジュール販売は利益が見込めないので発電所開発や、自社EPC案件を増やし、トータル300MWを目指す」(劉社長)。

同社の生産拠点は中国2ヵ所とトルコ1ヵ所で、生産能力は中国がそれぞれ500MW、トルコが300MWだ。

劉社長は、「トルコは欧米のアンチダンピングの対策工場。アメリカ市場は年3~4GWの需要が見込めるため、今後現地の営業を強化していく。アメリカの需要が伸びれば、トルコ工場を増産することも可能だ」。

日本法人 劉雲洲社長

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