日立化成、太陽電池封止シート向け波長変換粒子発売
発電効率を従来比最大2.2%向上
樹脂材料などを扱う日立化成(東京都千代田区、田中一行社長)はこのほど、太陽光パネルに使用する封止シート向け製品の販売を開始した。同製品はアクリル樹脂粒子内に蛍光体粒子を含有させたもので、これまで発電に利用できなかった短波長の光(紫外線)を長波長の光(可視光)に変換する機能がある。同製品を使用した封止シートを用いると、パネルの発電効率は最大で2.2%向上するという。
同製品について、基盤材料事業部機能性樹脂開発部の波江野滋主任研究員は「元々、我々は樹脂粒子を作る技術を持っており、今回は波長変換する蛍光体を粒子に包み込み、つまりカプセル化した粒子にすることで、太陽光発電の変換効率に寄与できる製品を開発した」と経緯を語る。
耐久性に優れているとされるアクリル樹脂に分散されているため、モジュールの耐久性を損なうことはないという。加えて、封止シートメーカー側でのプロセス変更の必要性がないため、生産性に影響を与えることもないとしている。
同製品は千葉県市原市の同社製造事業所で生産しており、今後は実績を蓄積していきながら2017年度に約20億円という目標を立てている。