サンテックパワージャパン、14年モジュール出荷500MWへ
住宅システム販売と発電事業の2本柱で
サンテックパワージャパン(東京都新宿区、山本豊社長)はこのほど、住宅用太陽光のシステム販売と発電事業に力を注ぐ構えを示した。14年は日本で500MWのモジュール出荷を目指し、うち100MWは自社開発の発電所に供給する考えだ。
同社は7月、住宅用単結晶270Wモジュールの新製品を発表、10月から販売を開始する。パワーコンディショナは、田淵電機やパナソニック、オムロンなどから調達し、住宅用システムの販売を強めていく。
同社の山本豊社長は、「FITのインセンティブが薄れてきているなか、住宅用ではグリッドパリティが実現しつつある。今後、市場の中心は住宅用に戻るだろう」とし、「モジュール販売だけでは収益率が低下する。システムでの提供が肝要」と話す。
一方の発電事業は、14年から約30MWの発電所開発に着手しており、買取価格40円の案件もあるという。
「昨年は経営再建のため発電事業に手が回らなかった。今年は昨年の分を取り返す勢いで取り組む。FITのプレミア期間が終わってもモジュールを原価調達できる利点を生かし開発を続ける」(山本社長)。
14年上半期(1~6月)時点で、日本での出荷量は目標500MWの約4割に到達しており、ほぼ順調に販売しているという。
現在、同社本体の無錫サンテックパワーの生産能力は2.5GWであるが、山本社長は、「増産する計画がある。親会社の順風グループでは、2016年までに世界で15GW分の発電所を開発する目標を掲げている。供給量が増えれば生産能力を上げなければならない。現状の2.5GWでは足りない」。
米政府による中国製・台湾製セル・モジュールに対するアンチダンピング対策として、第3国での生産も視野に入れる。「拡大する米市場への展開が絶たれるのはもったいない。米国に販売できる生産拠点を持つ企業とのM&Aも検討中」(山本社長)。