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EPC大手マルティフェル・ソーラー、日本でO&M開始へ

海外の太陽光関連企業が続々と日本進出を果たすなか、ポルトガルの太陽光EPC(設計・調達・建設)大手マルティフェル・ソーラーの日本法人、マルティフェル・ソーラー・ジャパン(東京都中央区)も日本での事業を本格化させる。プロジェクト開発を進める傍ら、太陽光発電所のO&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)事業の準備を完了、グローバルでの経験を活かしてO&Mサービスを実施する。

マルティフェル・ソーラーは2006年に設立。プロジェクト開発からEPC、O&Mまで手掛ける。欧米のほか、南米やアジアに進出し、EPCとしての累計実績は約600MWに及ぶという。

「当社は、IHSの調査でターンキープロジェクトを担うシステムインテグレータとして13年に欧州5位、世界16位にランクインした。ブラジルW杯に使用されたミネイロンスタジアムの太陽光システムのEPCも担当した」(日本代表のディオゴ・ヌーネス氏)。

日本市場への進出は12年10月頃に決定。その後日本法人を設立し、プロジェクト開発やO&Mを提供している。ただし他国とは異なり、日本ではEPC業務を手掛けていない。

ヌーネス氏は、「日本の金融機関でプロジェクトファイナンスを組成するに当たり、海外のEPCでは難しい。参入に必要な許認可や条件も考慮した結果、日本でEPCは実施しないことにした」とし、プロジェクト開発について、「土地開発から各種申請業務、地元自治体との協議も行う。現在4件計35MWの案件を開発しており、来年にも許認可が出揃う。4案件をパッケージとして売却する形を検討している」と話した。

その同社が日本でプロジェクト開発と並行して取り組んでいるのがO&Mだ。

「良いO&Mを提供するにはノウハウと経験、そして技術がいる。新しい日本市場では経験者が少ないので、我々の経験が活かせる。事業主のリスク・プロファイルをし、それぞれのレベルやニーズに適したO&Mを提供する」(ヌーネス氏)。

日本版のシステムは完成済みで、発電事業者との商談を進めているという。電気主任技術者については、パートナーと連携する形も含めて検討している。

「長期ビジョンを描いて日本に参入した。日本でもメジャープレーヤーを目指し、20年のO&Mを提供していく」(同)。

ディオゴ・ヌーネス氏

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