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エヌ・ピー・シー、新メンテナンスサービス開始

EL検査+ストリングIV測定が可能に

ストリングIV測定の様子。電極ピンを固定するホルダーは自社開発品

太陽電池製造装置メーカーのエヌ・ピー・シー(東京都荒川区、伊藤雅文社長)は6月、新たな太陽電池のメンテナンスサービスを開始した。これまで実施していた屋外EL検査に、ストリング毎のIV(電流電圧)計測が加わった形だ。

同社は、14年初から屋外EL検査装置を用いたメンテナンスサービスを展開してきた。太陽電池事業本部環境関連営業部高橋宏史部長は、「ストリング毎のIV測定ニーズが顕在していた。両方を行うことで、IV測定で問題のある箇所を特定し、EL検査を行うパネル枚数を限定することが可能になった」と話す。

ストリングのIV計測では、4チャンネル同時測定できる戸上電機製『ストリングトレーサー』を使用。接続箱の端子と『ストリングトレーサー』の電極ピンがスムーズに繋がるよう、専用ホルダーで固定し、作業時間を短縮する。また、IV測定の他に日射量とパネル温度も測定する。

測定したデータは同社が開発した解析ソフトウェアでグラフ化し、各ストリングの発電量を比較する。全ストリングの発電平均値と出力が乖離して低いものがあれば、それをEL検査するという流れだ。

EL検査は、同社が所有する屋外EL検査装置『エプティフ』を使用する。付属のカメラで撮影すると、セルのひび割れや発電不良などが色によって判別できる。

全ストリングのIV測定に、不具合箇所のEL検査を合わせて、1MWあたり費用は約40万円。この他、IV測定のみ、EL検査のみのプランも提供する。いずれも、測定結果をレポートにし依頼者に発行する。

「ストリング監視を実施するところはまだ少ない。常時監視は初期コストもかかり、その監視システム自体が正常運転しているかの確認も必要。定期点検でストリング検査とEL検査を組み合わせ、質の高い点検サービスを提供したい」(高橋氏)。

なお、14年8月期決算では売上高160億円を達成する見通しだ。第1四半期に3億5千万円あった純損失は、第3四半期時点で4百万円まで圧縮した。今後も製造装置事業に軸足を置きつつ、メンテナンスサービス等新たな収益源確保を図る方針だという。

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