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産廃跡地に太陽光 国際航業が和歌山で開発

パネルを避けた中央は、低濃度の汚染土壌が埋められている

太陽光発電所の建設適地が減少するなか、条件の悪い土地を活用する動きが出てきた。日本アジアグループ子会社の国際航業(東京都千代田区、土方聡社長)は、和歌山県の産業廃棄物埋立地で出力708kWの発電所を建設。土壌汚染が確認され建設に制限がかかったが、今年5月に完成した。

「和歌山・橋本ソーラーウェイ」は、2003年に和歌山県が買い取った同県橋本市の土地を活用した案件で、13年に県が事業者を公募し、国際航業が選定された。

ただ、建設用地は、阪神・淡路大震災で発生した震災廃棄物が不法に運び込まれた土地だった。高濃度ダイオキシンは溶融固化工法で無害化処理されたが、箱状のコンクリートに詰められた低濃度ダイオキシンが地中に存在した。

同社のエネルギー事業推進部プロジェクト担当チーフの小林且典氏は、「立地面積は1万2500㎡だが、土壌汚染対策法の関係で掘削面積は3000㎡未満という制限がかけられ、杭は打てずコンクリ基礎を採用した」とし、「近隣住民の不安解消のために何度も説明会を開いた」と建設プロセスを語った。

同発電所には災害時に使用できる非常用電源や可搬式蓄電池、防災倉庫が備わっており、太陽光で電源を確保できる。

不動産開発を手掛ける同社は主に官公庁と取引しており、発電事業は公有地を活用する場合も多い。ただ適地が減少し、「過去にストーリーのある土地が増えている」(小林氏)ようだ。

14年7月には、東日本大震災で被災した宮城県農業高等学校の跡地を活用するプロジェクトの発電事業者に選ばれた。出力は約20MWで、15年度上期の着工を予定している。

「大津波にのまれ、形をなくした宮城県農業高校は日本最古の農業高校だった。近隣住民にとっては思い入れのある場所。過去のストーリーを記念碑に記し、見学者の記憶に残るようにしたい」(小林氏)。

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