テュフラインランドジャパン
発電所認証で資産価値アップ
2サイトに総合認証発行
全国各地で太陽光発電所の開発が進むなか、稼働後の発電所の転売マーケットも動き始めている。そんななか、国際的な第三者認証機関のテュフラインランドジャパン(横浜市港北区、ホルガー・クンツ社長)は国内の太陽光発電所向け総合認証サービスを開始、今年6月には2か所の発電所に対して認証を発行した。発電所の資産評価が求められ始めており、第三者認証サービスが注目を集めている。
同社の発行している総合認証サービスは、発電所の計画から施工、運用までトータルで評価するもの。計画から施工までを評価するステージ1では、現地での影分析や発電量予測、仕様書の検査やモジュールの抜取検査などを行う。
施工から運用開始までのステージ2では、現場評価や測定を実施。運用後はステージ3として定期的に評価していく。ステージ1から3までトータルでの認証サービスだけでなく、発電量予測のみなど部分的なカスタマイズサービスも提供している。
製品部太陽光発電課太陽光発電ラボラトリーの福元慧チームリーダーは、「稼働後の発電所にも総合認証サービスを提供できるが、モジュールの抜取検査が必要になるので計画段階から評価できる方がよい」としたうえで、「国内に試験所を持ち、太陽光分野における長年の実績や経験が当社の強みだ」と話す。
同社グループは、発電所評価の実績も豊富。世界では累計5GWを超えるほか、国内でも部分的な評価サービスも含め、750MW以上に及ぶという。国内での総合認証としては、今年6月に2サイトに発行。テス・エンジニアリングの1MW発電所(徳島県阿南市)といちごグループホールディングスの1.33MW発電所(群馬県桐生市)である。
福元チームリーダーは、「欧州では転売を目的に建設される発電所も多く、その評価レポートによって資産価値が変動すると聞く。安全でしっかりと発電する発電所を実現するためにも第三者による評価を活用してもらえれば」と語った。