マルチ計測器、PV用絶縁抵抗計販売好調
2機種を新たに追加
電流センサ・計測器を製造するマルチ計測器(東京都千代田区、大西恭二社長)の太陽電池対応絶縁抵抗計の販売が好調だ。シリーズの第1号は9ヵ月で485台を出荷した。
絶縁抵抗計はメガーとも呼ばれ、太陽光だけでなく回路の絶縁抵抗を測る機械として広く使用されている。同社が販売する『PVメガーシリーズ』は、太陽電池が発電中もP相とN相を短絡することなく測定することができる。
13年10月に発表した1機種目『PV1』は、500Vと1000Vの2レンジ切り替え式。P相端子とアース線を繋ぎ、絶縁が保たれているかを計測する。計測時間は約1分で、結果はモニターに表示される。1MΩ以下の数値が表示されていると漏電の可能性がある。
『PV1』の標準価格は3万円(税別)で、同社大阪営業所長の椿裕志氏は、「当社で販売する通常のメガーと同じような価格帯で提供できるようコストダウンした」と話している。
今年6月に販売を開始した『PVS』は『PV1』の機能に加え、1000V未満の発電電圧の測定が可能となったほか、絶縁劣化箇所を特定する機能を搭載した。標準価格は9万円(税別)。
7月に発売した『PV2』は『PV1』の進化版で、太陽光以外の絶縁抵抗計測にも対応できるように、125Vと250Vレンジも追加した。また600V未満の交流電圧の測定が可能。標準価格は4万5千円(税別)。
椿所長は、「太陽光用のメガーを現時点で販売しているのは当社だけ。今後他社も参入してくると思うが、品質・価格共に自信がある」と表情は明るい。
3機種合わせてシリーズの累計は500台を達成した。今後も施工会社や保守・点検業者向けに営業を強める方針だ。