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日本工営、モニタリングサービス提案強化

福島空港メガソーラーに採用

(左)発電所個別監視画面(右)複数発電所一括監視も可能だ

建設コンサル大手の日本工営(東京都千代田区、廣瀬典昭社長)は太陽光発電所向けの遠隔モニタリングサービスの提案を強めている。オリックスの屋根借り太陽光発電事業で採用されたほか、今年4月に竣工した福島空港メガソーラーにも導入されるなど、着実に実績を伸ばしている。

同社の遠隔モニタリングサービスは、クラウド型の遠隔監視システムを用いたもの。基本的にパワーコンディショナと気象計測器、受変電設備、データ収集装置を監視、故障発生時のメール通知も行う。最大で50発電所を一括管理できる。3G回線を利用した無線通信にも対応可能だ。

電力事業本部福島事業所研究開発室の小川隆行課長は、「2009年度からエネルギーマネジメントシステムの開発を進めるなかで、全量買取り制度の開始に伴い、太陽光発電の遠隔モニタリングサービスを先行的に開発した。電力会社さん向けの機器製造技術や監視制御システムの構築、ESCOサービスなど、当社がこれまで培ってきた経験やノウハウを活かしている」と話す。

同社のシステムには、通信障害が生じた場合に、最大1週間分のデータを蓄積し、復旧後、サーバへ自動的に再送する仕組みを搭載。同本部生産事業部システム営業技術部の槙良太主任は、「仮に通信回線トラブルが起こっても、現場に行かずとも欠損していたデータが自動的に補完される。また、リモートログインでの障害ログデータ解析もできる」という。

発電サイトでデータ収集装置を内蔵している筐体についても、背面と下部以外に温度上昇の抑制や風雨を防ぐ役割を担う遮蔽板を設置、「寒冷地であれば、ヒーターを付け、温度センサで一定の温度に保つことも可能だ」(同本部福島事業所システム事業部制御システム部の鹿野雅紀次長)。

同社は12年8月頃に太陽光発電所向けの遠隔モニタリングサービスの開発に着手。出力2MW未満の高圧発電所を主なターゲットに、オリックスの屋根借り太陽光発電事業のほか、1.2MWの福島空港メガソーラー事業でも採用された。事業性評価などのコンサルティングやEPC(設計・調達・建設)業務も行っている。

小川課長は「当社にはコンサルティング会社としての解析技術もある。今後もO&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)に関するニーズなどに応え、開発を進めていければ」と語った。

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