日本電業工作、監視システム新開発
無線で発電量・セキュリティ監視
通信機器メーカーの日本電業工作(東京都千代田区、岩本眞社長)は5月末、太陽光発電施設向けの監視システム2種を発表した。発電事業者に提案を強め、15年単年で両システム計2億円の売上を目指す。
同社が発表した製品は、PCS(パワーコンディショナ)接点や電流電圧の状況が確認できる『Muセンサ』を用いた監視システムと、発電施設内をカメラで監視する『Falcon WAVE』を用いたマルチポイントカメラ監視システムの2機種だ。いずれも13年12月に建設業界向けに発表した製品がベースになっており、太陽光発電の監視システムに応用させた。
『Muセンサ』は①インターフェース②コントロール③ネットワークの3つのユニットで構成され、ユーザー好みの監視内容にセミカスタマイズするというものだ。PCSの接点監視のみで17万円、電流電圧のインターフェースを加えた場合30万円で販売する。
監視状況は3G回線で管理者の携帯電話にショートメッセージで送られる。管理者は自身でメッセージの受信回数を選択。受信は1通3円で、基本料金は月800円からとなっている。
事業開発部長の藤本直樹氏は「PCSの故障警告や電池残量を最低限知らせてほしい、そういうニーズに特化している。発電量をグラフ化するのはパソコンも必要で通信料もかかる。50kW~100kWレンジの発電所で需要が期待できる」と話す。
一方の『Falcon WAVE』は通信費無料の無線LAN回線で、監視カメラの映像をリアルタイムで伝送する。無線機とIPカメラの使用電力が約6Wと低消費なため、小型太陽電池で自立運転が可能だ。太陽電池は京セラ製を採用した。
「建設後のメガソーラーでは盗難やビニールの飛来、落ち葉の堆積など様々なことが起きている。カメラ監視はほとんどなく、されていても映像を記録したSDカードを現地回収することが多かった。常時無線で監視できるのは唯一だと思う」(藤本氏)。
大規模メガソーラーを有線で監視するには、データ伝送のケーブル類を埋設する必要がある。土地が広いため道路を跨ぐ場合もあり、有線によるカメラ監視は初期費用がネックとなっていた。
同社が推奨する独Mobotix製高機能カメラと周辺機器のパッケージを200万円で、他社カメラの普及版は75万円から販売する。カメラは最大4対向まで増設が可能だ。既に国内3カ所のメガソーラーで設置がされている。