大林組、EPC累計80MW
21.5MW発電所4月竣工
ゼネコン大手の大林組(東京都港区、白石達社長)が、太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)で実績を伸ばしている。全量売電がスタートした2012年から14年5月までに手掛けた案件は累計80MWに達した。
4月22日、同社がEPCを担った熊本県葦北郡の21.5MWの発電所が完成した。牧場跡地のため勾配がきつく建設は難航したが、同社は工期1年半で竣工させた。施工スピードが上がり、「10MW規模なら1年未満」(エンジニアリング本部環境施設エンジニアリング部佐藤栄作担当部長)で建設できるという。
同発電所の第1発電所は出力658kWで、三菱電機製のモジュール約2600枚と日新電機製PCS(パワーコンディショナ)を選定した。第2発電所の出力は20.8MWで、パナソニック製約5万5000枚、ソーラーフロンティア製約4万6000枚のモジュールを、PCSは日立製作所製を採用した。
同社が扱うモジュールは国内メーカーの製品が中心だ。海外製品も数社のものを扱うが、生産工程を視察し、十分な管理体制をもつメーカーと取引しているという。
環境施設エンジニアリング部の久枝俊弘課長は、「出力保証を保険でカバーしているところもあるが、保険をかければいいというものではない。製品の品質を確かめて信頼できる製品だけを扱う」と話す。
今期も出力2MW以上の特高案件まで受注は旺盛だ。建設を控えるのは、買取り価格40円の特高案件と36円の高圧案件が中心。計100MW規模にのぼる模様である。
2014年度の買取り価格32円については「労務費が高騰しているうえ、海外製パネルは円安傾向で価格が上昇している。難しいところ」(久枝課長)とコメントし、「特高クラスで利益が見込めるものは取り組んでいく」とした。