大阪府、世界初、海水面で太陽光発電実験
架台に間伐材を使用
大阪府はこのほど、岸和田市と大阪市住之江区の2カ所で、架台に間伐材を使用した海水面での太陽光発電の実証実験を開始した。海水面での発電量や塩害による影響等を検証すると同時に、間伐材の新市場の可能性を探る。海水面での太陽光発電の設置は世界初の試みとなる。
同実験は林野庁の2013年度森林整備加速化・林業再生事業の補助を受けて実現した。大阪府木材協同組合連合会が実験主となり、府や企業と連携して3年間モニタリングを行う。
本実験の架台には熱処理を施した国産のスギ材が使用された。2~3日かけて乾燥・熱処理・冷却し、防腐剤や薬剤を使うことなく腐食や虫食いを防ぐ。木材を提供した越井木材工業(大阪市住之江区、越井潤社長)の技術開発室・バイオマス発電室室長の山口秋生氏は「日本の山には間伐材が多くある。新たな用途を見出し、林業を盛り上げたい」と話す。
実験に使用したパネルはシャープ製で、出力は岸和田地区約7kW、住之江地区約1.7kWだ。どちらも系統にはつながず独立型で、LED照明や水上ポンプに電力を供給する。
今回の実証実験には大阪府、越井木材工業、シャープ、地域計画建築研究所などを含む9つの団体がメンバーとして参加している。
7kWモジュールと架台設置で500万円の費用がかかった。本実験の建設コンサルを担った地域計画建築研究所の畑中直樹取締役は「地上と比べてコストが嵩むが、条件のよい土地がなくなってきているのも事実。今後の可能性を探りたい」としている。