サンアースソーラー、年産2GWの新工場が今夏稼働
日本支社初年度売上10億円
中・太陽電池メーカー、サンアースソーラー(中国寧波市、周建宏社長)は今夏から、生産能力2GWの新工場を稼働する。2013年6月に設立したサンアースソーラージャパン(東京都千代田区、野村敏子社長)は13年度の売上高が10億円に達した。14年は100億円を目指す方針を掲げている。
2GWの生産能力の拡大に至った理由についてサンアースソーラージャパン野村毅副社長は「東南アジアで1.2GW以上の受注がある。当社は受注生産体制を厳守している。現在の650MWの生産能力で対応しきれないため増産に至った」と話した。
同社は1966年から太陽電池事業を開始。実フィールドでのモジュール設置年数は30年前に遡る。
野村氏は「一貫生産を謳う企業は多々あるが、当社はセル生産能力=モジュール生産能力。OEMや他社に販売することなく、一貫生産を貫く」と自信を見せる。
フルターンキーの製造設備により、太陽電池製造への参入障壁は低くなったが、同社は製造設備の技術進歩がなくなることを危惧し、これを導入しなかった。英国や日本の機械メーカーと連携し、製造技術の進歩で製品の差別化を図るという。
同社では多結晶と単結晶シリコンモジュールを6対4の割合で生産する。中でも多結晶の製造に力を入れているとし、「ウエハの製造過程において、多結晶の電気使用量の方が遥かに少ない。環境面を考えれば本来多結晶でやるべき」と亀田裕営業技術部長は話す。研究段階の多結晶セル変換効率は19.5%を記録しているという。
日本でのビジネスについては「当初の目標通り、初年度10億円の売上を達成した。基盤整備ができた1年だった。FIT(固定価格買取り制度)導入後、太陽光は投資商材として人々の目に映り価格が先行しているが、品質を保証できる価格で販売する。海外のプロジェクトについても日本の商社を通じて参画したい」(野村氏)とコメントした。