東テク、太陽光部門50%増30億円
空調機器商社の東テク(東京都中央区、長尾克己社長)は、2013年度の太陽光事業の売上高が前期比50%増の30億円で推移した。出力50kW未満の産業用分野を中心に太陽光システムを販売、13年度は前年度比25%増の7MWに達している。
同社は09年11月より太陽光事業に参入。住宅用と公共・産業用のシステムを扱い、FIT(全量買取り制度)が開始されるまでの約3年間は住宅用システムを200件程販売した。
FITが始まると産業用分野へ展開を強め、出荷割合も変化する。FIT前は住宅用40%、産業用60%だったものが、12年から住宅用10~20%、産業用80~90%となる。
同社の特徴は、自社で技術・設計部門を持ち、グループ内にメンテナンス会社を抱えていること。本店エネルギー統括部創エネルギー部の高橋孝統括部長は、「品質の良い商品を提供するとともに、施工、そしてアフターメンテナンスまでトータルでお付き合いさせていただく」とし、「むやみに規模を拡大するのではなく、品質重視の責任あるサービスを提供している」と方針を述べた。
同社は今後、システムのみならず産業用向けに太陽光パネルを販売していく。昨年より準備を進め、中国メーカーの工場視察を行うなどの準備を経て、今年の8月頃を目途に発売する予定だ。
同社は1955年に設立。現在グループ会社を含め、九州と四国を除く全国に事業所を構えている。空調機器の提案から設計・施工・保守管理まで手掛け、省エネシステムを提案している。既に蓄電池の販売やバイオマス発電事業にも着手しており、高橋統括部長は「建屋全体から地域全体のエネルギーを考え、太陽光も含めたエネルギーシステムを提供していく」と語った。