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JX日鉱日石エネルギー、米ファーストソーラーと国内独占販売契約

n型単結晶モジュール、14年度下半期にも投入へ

JX日鉱日石エネルギー(東京都千代田区、一色誠一社長)は、10月18日に米・太陽電池大手のファーストソーラーと結晶系モジュールの日本市場における独占販売契約を締結した。同社は、ファーストソーラーが製造する高効率n型単結晶シリコン型モジュールを国内で販売する。2014年度下半期の市場投入を目指す。

茨城県の「かすみがうらメガソーラー発電所」。最大出力は2MW、13年11月に運転を開始している

今回、同社がファーストソーラーと締結したのは、ファーストソーラーが高効率結晶系太陽電池セルの開発を行う米国のベンチャー企業であるテトラサンの技術をもとに量産するn型単結晶シリコン型モジュールの国内独占販売契約。契約期間は15年4月まで。15年5月以降は継続協議中としている。

JX日鉱日石エネルギーは09年にテトラサンへ出資、筆頭株主として研究開発を支援していた。そのテトラサンは13年4月、高効率なn型単結晶セルの生産プロセスの確立に一定の目途がついたとして、モジュールでの量産化を目指し、ファーストソーラーの傘下に入ると発表。ファーストソーラーは、JX日鉱日石エネルギーの保有株式を含むテトラサンの全株式を取得し、子会社化していた。

新エネルギーシステム事業本部システムインテグレート事業部の溝口淳部長は、「ファーストソーラーは、n型単結晶セルで変換効率21%超を実現しているテトラサンの技術を用いたモジュールの量産化を進めている。現在、米国にてパイロットプラントを構築しており、本格的な量産へ向けた準備段階だ。我々としては14年度下半期には国内販売していきたい」と話す。

一方、同部の川島一朗新エネルギー統括グループ担当マネージャーは、モジュールについて、「高効率を武器として、限られた面積に最大限設置したいユーザーに提案できるもの。住宅用もそうだが、産業用も視野に入れている。特に日本は狭い場所に太陽光発電を導入することも多く、高効率は強みになるはずだ」という。

同社は、太陽光発電関連事業として、住宅用及び産業用分野で太陽光システム販売を行っている。産業用向けについては、JXエンジニアリングなど、グループ企業と連携したEPC(設計・調達・建設)も提供可能だ。

また、自社遊休地を活用したIPP(独立系発電)事業も実施。これまでに6件、合計容量約22MWのメガソーラーの建設計画を公表。現在、3か所のメガソーラーが稼働している。

溝口部長は、「IPP事業で自らメガソーラーを開発し、事業運営することによって、経験やノウハウを太陽光発電関連事業にフィードバックすることができる」としたうえで、「それらと高効率モジュールを合わせ、メガソーラーだけでなく、住宅用からミドルソーラーまで幅広いニーズに応えていきたい」と語った。

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