日立CM、低圧産業用向けに20年長期保守サービス提供
常時モニタリング、駆けつけサービス、20年発電補償も
日立コンシューマ・マーケティング(東京都港区、中村晃一郎社長、以下日立CM)はこのほど、出力10kW以上50kW未満の低圧産業用太陽光発電向けに20年間の長期保守サービスを開始した。モニタリングシステムを活用した『見守りサービス』や発電補償や周辺機器保証も含む20年の『長期保証・補償・保守』などが特長だ。まずは同社がシステム設計・施工を担う低圧発電所を対象に提案していく。
同社の長期保守サービス『ハイセーフ20』は、20年間の発電事業をサポートするもの。太陽光発電所には、モニタリングシステムを導入し、同社の『見守りセンター』で常時監視を行う。遠隔監視は、CTセンサタイプの計測装置を設置し、PCS(パワーコンディショナ)の運転状態をモニタリング。異常発生時には、警報を受け取った同社の全国サービス拠点からの駆けつけサービスを提供することも可能だ。
また、1年目から4年周期での定期点検(1、5、9、13、17年目)も実施する。補償や保証については、メーカーによるモジュール出力保証のほか、機器不具合に起因する故障に対する発電補償や災害補償、周辺機器保証(架台・接続箱・ケーブル)も20年間付与。PCSは、メーカーによる10年の製品保証の後、11~20年目については同社が保守対応を行う。ただし、保守期間内の部品やPCS本体の交換については有償となる。
環境ビジネス推進本部環境ビジネス推進部の小村勝人部長は、「全量売電が始まってから、当社では低圧産業用向けに10年の安心保証制度として、モジュール出力保証とPCSの10年製品保証、さらに当社が設計・施工したユーザーさんには10年の災害補償を合わせたトリプル保証を提供してきた」としたうえで、「今回の新サービスはそれをベースとして、保守サービスなどを付加したもの。電圧抑制によって発電が止まるケースも発生しており、発電ロスを防ぐために常時モニタリングすることは大切。発電リスクや売電損失を最小限に抑えられる」と話す。
現在、『ハイセーフ20』では、①フルパッケージ、②異常報告までの『見守りサービス』及び定期点検、③定期点検のみの3種類をラインナップしている。
価格については、たとえば30kWから40kW未満の発電所であれば、①のフルパッケージでは308万円(税込、20年間。月額換算約12800円)、②の場合202万円(同。同約8400円)。これら費用には3G回線の通信費やサーバ使用料も含まれている。
同社は、2009年秋に住宅用太陽光発電マーケットへ進出。12年度下半期からは、低圧産業用にも本格展開し、12年度の太陽光発電関連の売上高は約66億円。今年度については、売上ベースで2倍弱の成長を見込んでいる。
現在、取り扱うシステムは、住宅用では日立アプライアンス製、産業用では日立アプライアンスのほか、ソーラーフロンティア製も採用している。
新たに開始した長期保証サービスの対象となるのは、日立CMがシステム設計及び施工を手掛けた太陽光発電所である。
小村部長は、「当社はシステムの卸販売も行っているが、まずは我々がシステム設計から施工まで担当する案件に対してサービスを提供する。今後については、ニーズに応える形で様々なメニュー化を検討していきたい」と語った。