明光社、工事受注22MW
太陽光事業17億円
九電工グループの電気工事会社、明光社(宮崎市、山下幸春社長)は、太陽光発電所の建設工事で実績を伸ばしている。今期(2013年4月~14年3月)の受注量は22MWに到達、太陽光事業の売上高は前期比倍増の17億円となる見通しだ。
同社は九州エリアで出力2MW未満の太陽光発電所の建設工事を手掛けている。12年10月より事業に着手し、受注を拡大。13年3月期は33ヵ所19MW、14年3月期は43ヵ所22MWにのぼった。さらに来期に契約予定の案件を33ヵ所37MW分抱えている。
EPC(設計・調達・建設)大手ウエストホールディングスからの受注案件が中心だが、地元の発電事業者との直接取引も増えている。
同社は1947年に設立。長らく九電からの委託工事を手掛けてきた。90年代からオール電化事業の一環で住宅用太陽光システムを売り出し、年間30件ほど販売していた。
産業用太陽光への本格参入を決めたのは12年夏頃だった。福島原発事故を受けて九電管内の原発が停止し九電の経営が悪化。これにより九電からの委託工事が激減したのがきっかけだ。
山下社長は、「売上の60%占めていた九電さんからの仕事が急になくなったのです。13年3月期の上期は創業来初の赤字に陥った。何とかしなければということで、太陽光を始めたのです」と経緯を語る。
第1号は、自社社屋に設置した175kWの設備。その後、ウエストHDから工事を受注し、徐々に実績を積んでいく。
山下社長は、「ウエストHDさんの協力を得られたことが何より大きい。電気工事士の資格を持つ当社の社員はそれまで変電所を修理していたので、太陽光の電気工事に対しては抵抗がなかったようです」。
同社の今期売上高は、太陽光事業が押し上げ、過去最高の46億円となる見通しだ。