横浜環境ら3社で、二相ステンレス鋼架台開発
太陽光発電の施工・販売店の横浜環境デザイン(横浜市都筑区、池田真樹社長、YKD)はこのほど、ステンレス加工のコマックス(香川県綾歌郡、小松正敏社長)とフォトボルテック(大阪府茨木市、池田真樹社長)の3社共同で太陽光発電用の二相ステンレス鋼架台を開発した。強度や耐食性に優れる二相ステンレス鋼を採用したうえで、施工性を向上させ、価格競争力も高めた。3月より正式に販売を開始した。
3社が新たに開発した架台は、素材に新日鐵住金ステンレス製二相ステンレス鋼『NSSC 2120』を採用。一般的に太陽光架台に使用されているステンレス鋼『SUS304』と比べ、高強度かつ同等以上の耐食性を持つという。
池田真樹社長は、「SUS304と比べ、約2倍の強度があるので材料を薄くできる。つまり鋼材の量を削減し、軽量化を実現した。荷姿もコンパクトで、物流コストの低減にも繋がる」と話す。
出力50kWの発電所であれば、架台の総重量は約2t。2tトラック1台で済む。4mの形鋼の重さは約12㎏であり、1人で持ち運びできるという。
さらに素材の特長に加え、YKDはこれまでの施工の経験などを活かし、部品点数の削減や施工性の向上を目指した。
「施工に携わる者として現場での施工性を追求した。リップ溝形鋼ではなく、Z形鋼を採用したほか、架台の骨組みのバリエーションは7パターンで全て収まる。それに現場の声を取り入れ、『パクトナット』を標準化した」(池田社長)。
同社は、発売に先駆け、千葉県八街市の800kW発電所で新型架台を導入。同じ八街市でアルミ架台を用いた同容量の発電所の建設に比べ、架台の組み立て時間を約40%削減できたという。
池田社長は、「手慣れた作業員が施工したこともあるが、それ以上に架台の違いによる施工性向上を実感できた。価格は、ステンレス鋼はもちろん、国産スチール架台とも十分に勝負できる」と語った。
今回新発売の二相ステンレス鋼架台の名称は『SUSK(サスケ)』。製造元はコマックス、販売元はYKDである。