Inside News

太陽光発電協会、『JPEA PV OUTLOOK 2030』改訂

2030年導入目標100GW据え置き

太陽光発電協会(東京都港区、下村節宏代表理事、JPEA)は2月24日、太陽光発電産業の将来的なビジョンを描いた『JPEA PV OUTLOOK 2030』の改訂版を公表した。2010年の発行以降、2回目の改定となる今回は、FIT(再生可能エネルギーの全量買取り制度)を踏まえたものとなった。〝2030年100GW〟の導入目標は据え置きつつ、蓄電池なども合わせた将来的なビジョンを示した。

JPEAは10年に『JPEA PV OUTLOOK 2030』を策定。今回の改定は、東日本大震災後の12年8月以来、2回目となる。策定に携わった本多潤一幹事は、「当初は、会員に対するメッセージをメインとして、これからの希望ある未来を描いた。根幹となるのが産業として電気エネルギーの一翼を担いたいということ。そこで30年に電気エネルギー全体の10%、100GWを目指した」とし、「12年の改定では、震災を経て描く未来として、100GWの導入をより現実的にするために、天候に左右される太陽光発電を安定供給できるよう、蓄電技術と組み合わせたビジョンを描いた」と説明する。

今回の改定では、FIT本格始動による市場変化に加え、電力システム改革や蓄電池の導入ポテンシャルなどを踏まえたうえで、100GW導入へ向けた道筋を示したという。

「FITはカンフル剤となっているが、いつまでも続く制度ではない。今後はFITのソフトランディングとスムーズなテイクオフが必要。そして、その間には、移行期間が生まれると想定した。そこではコストダウンもあり、新しいビジネスモデルも出てくるだろう」。

ビジョンでは系統連系させる太陽光システムを〝ノーマルコネクト〟、蓄電池などと組み合わせたシステムを〝ソフトコネクト〟と称し、移行期間は〝ソフトコネクト〟が普及すると想定している。

「系統容量の限界は北海道に限らず、いずれ出てくるだろう。おそらく移行期間に重なり、蓄電池と組み合わせた系統負荷を低減させたシステムが必要になる。その次は、貯めた電気を双方向電源としてやり取りできる時代になると描いた」。

なお、蓄電池を導入するとなると、太陽光以外のコストも要することになる。そこでビジョンでは、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド自動車)の蓄電池を系統安定化用として活用する可能性も加えている。

「欧州の事例を見ても、FITはアクセルとブレーキの踏み方次第で導入量に波が生まれる。国内導入量の見通しには、それを反映させている」とし、「日本全体で自己完結型の電気エネルギー供給体制が構築されることを我々は願っているし、太陽光もその一翼を担っていければ」と語った。

Inside News を読む

一覧を見る