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サニックス、産業用太陽光5.4倍の520億円に急拡大

今期売上倍増845億円へ

サニックスが産業用太陽光発電事業で大幅に業績を伸ばしている。14年3月期の売上高は対前期比ほぼ倍増の845億円で推移する見通しだ。大増収に寄与したのが、出力50kW未満の太陽光発電システムの販売だった。産業用PV事業部門の売上は520億4700万円と実に5.4倍の大増収で、全体の60%以上を占める主力事業に急成長した。

50kW未満のシステムは、地上設置用と屋根上設置用の2種類用意している。

主力製品は、出力約49kWの太陽光発電システム。太陽電池モジュールは自社ブランドの単結晶シリコン型もしくは多結晶シリコン型で、国内メーカーのパワーコンディショナと自社開発のスクリュー式杭打ち基礎・架台などで構成されている。ユーザーのニーズに対応して地上設置型と屋根上設置型の2種類用意した。

最大の強みは割安な価格にある。出力約49kWのシステムを地上設置型がkW当たり26.2万円、屋根上設置型は同25.5万円で売り出した。発売当初から注文が殺到し、一気に業績を高めたのだ。

同社取締役専務執行役員の下城正寛太陽光発電システム事業本部長は、「モジュールは自社基準で競争力のある中国メーカーに製造委託しているため、安く調達できている。そして自社販売・自社施工が原則なので、販売価格を他社よりも下げることに成功したのだ」と胸を張る。

同社は、害虫駆除サービスで事業を拡大、2000年代後半から住宅用太陽光システムの販売施工に着手した。当時は韓・現代重工業製のシステムを販売、着実に実績を上げた。

転機となったのは、全量売電がスタートした12年7月である。これを機に産業用へ大きくシフトし、競争力を高めるために製品開発を進めた。

下城事業本部長は、「住宅用はシステムを一部の販売店に卸す程度で事業規模は小さい。当社はこの2年間で産業用にシフトした」と状況を語った。

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