ウェーブ、営農型太陽光用モジュール開発
4月から販売開始
太陽光発電の施工会社であるウェーブ(埼玉県鴻巣市、遠藤裕幸社長)は、グループのアメリソーラーシステムと協力して営農型太陽光発電向けの専用モジュールを開発した。新製品は出力95Wと65Wの小型モジュール。2014年4月から本格販売する。
同社が販売する営農型太陽光発電用のモジュールは、出力95Wタイプ(3直36セルまたは4直36セル搭載)と同65Wタイプ(2直24セル搭載)。いずれも5インチの単結晶シリコンセルを用いた。通常の白色バックシートではなく、凸版印刷製の透明バックシートを採用した製品も揃える。モジュールは米・アメリソーラーが製造する。
木村明事業部部長は、「透明バックシートを採用した製品は、発電量が少し落ちるが、採光率がアップする。農作物の生産に必要な日照条件に合わせた遮光率の設定が可能だ。軽量かつ設計の自由度を持つモジュールとして、営農型太陽光発電事業に活用できる」と話す。
これらのモジュールやシステムを販売するのが、ウェーブ子会社のアメリソーラーシステム。同社は、ウェーブが58%、アメリソーラーら3社が42%の出資比率で13年11月に設立された。
遠藤裕幸社長は、「新興市場に打って出られる新商品を模索するなかで、営農型太陽光発電用のモジュール開発に行き着いた」と経緯を語り、「基本的にウェーブが施工を担当するが、モジュールや取付アタッチメントといった商品だけの販売も行っていく」と述べる。
電気通信工事の同社は、09年頃に太陽光発電分野に参入し、住宅用太陽光発電の施工請負を中心に事業化を進めた。産業用では施工請負のほか、13年9月からはシステム販売も始める。13年12月までの累計実績は、住宅用での施工件数が6000件を超え、産業用の受注量は140MWに達した模様だ。
また同社は、IPP(独立系発電)事業も実施しており、今年2月には埼玉県熊谷市で出力約1MWのメガソーラーが稼働する予定だ。モジュールはアメリソーラー製、パワーコンディショナは富士電機製を採用した。