エネルギーパワー、可搬型蓄電設備発売
新電力会社のエネルギーパワー(大阪市、米澤量登社長)は2021年1月21日、蓄電容量3.6kWhの可搬型蓄電設備を発売した。税別36万円と安くし、初年度は200台の販売を目指す。
同社は、中国の蓄電池メーカーに製造を委託し、リン酸鉄リチウムイオン蓄電設備を製品化。通常は一体となっている充電器とPCS(パワーコンディショナ)、蓄電池を分け、故障しても、部材さえ交換すれば済むように設計した。
標準品の出力は100Vだが、PCSを変えれば200Vまで高められるようにした。重量が約34㎏と重いため、容易に運べるようにキャスターを付けた。コンセントからの充電に加え、太陽光パネルによる充電にも対応させた。代理店を通じて製品を販売する方針だが、関西圏のみ直接販売を行う。
同社の佐々木美彦取締役は、「18年の大阪北部地震の際、顧客が停電で冷蔵庫が使えずに困っていたことが、蓄電設備の開発のきっかけだ」と経緯を語り、「kWhあたり10万円以下の価格であれば急速に普及すると考え、コスト低減にも力を入れた」と説明する。
同社は16年4月に創業した新電力会社であり、現在一般家庭を除く低圧需要家を中心に約3000の顧客を抱える。電力小売り事業のほか、電気工事業も手掛けている。21年2月21日、東京プロマーケットへ上場申請し、3月8日に承認を得た。3月29日の株式上場を予定している。