サンケン電気、自社ブランド品を積極提案
単相5kW今夏発売へ
サンケン電気(埼玉県新座市、飯島貞利社長)は、このほど独自ブランドの太陽光発電用PCS(パワーコンディショナ)の販売を強めている。三相10kW、単相10kWに加え、今夏には単相5kWも発売し、提案の幅を広げて、さらなる拡販を目指す。
半導体デバイスやUPS(無停電電源装置)を製造している同社は、太陽電池モジュールメーカーのOEM(他社ブランドでの生産)事業として2004年頃から太陽光発電用PCSの製造を開始、太陽光発電市場へ参入した。
全量売電の開始に伴い、12年春から自社ブランド品も発売。まずトランスレス型三相10kWタイプを市場に投入し、秋からは単相10kWタイプも取り揃えている。両タイプともJET認証を取得済みである。12年度のOEMも含めたPCS販売台数は、前年度比1.5倍に伸びたという。
技術本部GMK戦略統括部の竹村勝也PS市場戦略担当は、「独自ブランドでの販売は夏頃から本格化している。三相タイプの提案を進めるなかで、単相タイプのニーズもあり、ラインナップを拡充した」と話す。
同社製PCSは、高周波変換技術に共振型を採用。モスキート音を抑制したうえでの高効率化を実現したという。三相10kWタイプの変換効率は最大95.2%、DC300Vでは93.5%。「平均すると94%」(竹村氏)としている。
また、単相10kWタイプには自立運転機能を標準搭載。単相3線式のため、100Ⅴと200Ⅴの両方での自立運転が使用可能だ。
さらに今年8月からは、単相5kWタイプの発売を計画、10月からの量産を予定している。竹村氏は、「現在、多数台のJET認証を申請中。住宅用も視野に拡販していきたい。絶縁トランス内蔵型の三相10kWタイプの開発も進めている」と述べる。
なおPCSは、グループの国内工場で製造している。現在、既存工場内での生産拡張も進めており、14年度までには、月産1000台体制を構築していく方針だ。
竹村氏は今後について、「当社はUPS事業も展開している。PCSもスマートグリッド制御技術と融合していければ」と語る。
同社は、太陽光やスマートグリッドなど新エネルギー関連事業で15年度に売上規模40億円を目指している。