アルシス、垂直設置型太陽光の販売強化
総合建設のアルシス(愛知県安城市、梅村佳弘社長)が垂直設置型の太陽光発電設備の販売を強化している。2024年5月期の出荷量は前期比横ばいの約300kWとなる見込みだ。来期はさらなる拡販を目指す。
同社は、19年にアルミ製の専用架台の開発に着手し、耐風圧性を40m/sまで高めて安全性を検証、22年3月に垂直設置型の太陽光発電設備を製品化した。太陽光パネルの寸法が1134mm×2278mmで両面発電タイプであれば、様々なパネルを使用できる点が特徴だ。同社はPCS(パワーコンディショナ)などを含めた設備一式とEPC(設計・調達・建設)を含めた販売価格をkWあたり18万円に抑え、自治体やPPA(電力売買契約)会社からの採用を見込む。
自社販売に加え、エネルギー会社向けのOEM(他社ブランドでの生産)を手掛け、24年5月期の年間出荷量は約300kWとなる見通しだ。
同社の梅村社長は、「太陽光パネル搭載カーポートと比較しても、価格の優位性はある。引き続き製品開発にも力を入れ、年間4MWの販売を目指す」と意欲的である。
垂直設置型の太陽光発電設備は、屋根の耐荷重などの制約上、太陽光発電を導入できない事業所の敷地に設置できるほか、多雪地域や営農用太陽光発電所にも向く。東西方向にパネルを配置すれば、朝夕に発電ピークを移行でき、出力抑制量の低減に繋がるなど、可能性は広がっている。
それだけに、同社は垂直設置型の太陽光発電設備と、蓄電容量8.2kWhの蓄電設備やEV(電気自動車)用充電器を組み合わせた自家消費用設備も売り出している。
なお、同社はこのほど、EV関連機器開発のヤネカラと販売代理店契約を結んだ。代理店を通じて垂直設置型の太陽光発電設備を拡販する狙いである。