カゴメ、自社工場で上げDR実証開始
カゴメは2024年4月、自社の工場で上げDR(需要応答)の実証試験を開始した。出力抑制の頻度が多い時期の昼間に、工場の稼働率を上げて電力使用量を増やすなどの生産調整が可能かどうかを検証する。
同社は、電力小売りのグローバルエンジニアリング(福岡市、高橋宏忠社長)や再生可能エネルギーの調達を支援するリアイバリュー(東京港区、堀口公希社長)と共同で実証試験を行う。カゴメが所有する栃木県那須塩原市と茨城県小美玉市の2工場で、24年11月30日まで継続する。
今回の実証試験では、リアイバリューらが気象予報をもとに出力抑制が実施されそうな日に上げDRを要請し、カゴメは生産調整や工場内の電力使用量の調整などが可能かどうかシミュレーションする。
カゴメ生産調達本部生産技術部エンジニアリンググループの杉浦元紀課長は、「今回はあくまでシミュレーションで、実際に生産量や電力負荷の調整はしないが、検証を重ねることによって早く実用化に繋げたい」と語る。リアイバリューの堀口社長は、「異なる業種でも上げDRの実証試験に取り組みたい」と話す。
工場や事業所における上げDRの実用化が進めば、再エネ出力抑制の低減に繋がるだけに意義は大きいだろう。