NTT東日本、銅線ケーブル 盗難対策の警備システム開発
NTT東日本(=東日本電信電話)はこのほど、AI(人工知能)の機械学習機能を用いた銅線ケーブル盗難対策の警備システムを開発した。2024年夏頃を目途に発電事業者やO&M(管理・保守)業者に販売する構えだ。
銅の市況が高騰するなか、太陽光発電所の銅線ケーブルの盗難被害が多発している。保険金は急増し、いまや盗難被害は保険の対象から外されるようになり、対策は急務だ。
そこでNTT東日本は、グループのNTTエムイーやNTTアノードエナジーとAIを活用した警備システムを開発。NTTアノードエナジーが所有する太陽光発電所に防犯カメラを設置し、朝、昼、夜に窃盗団を想定した動きを繰り返し行ってAIに学習させた。これにより夜間でも人物検知の精度を83%まで引き上げたという。
NTT東日本先端テクノロジー部の仲矢由之チーフは、「防犯カメラだけでは、夜間に人物を検知する精度が低い。動物などと誤検知することも多いため、AIで人物検知の精度を高めた」と語る。
警備システムは、人物を検知すると、画像をメールで利用者に通知する仕組み。被害に遭うと、利用者は迅速に警察に通報できる。
NTTエムイーサービスクリエイション部DXコーディネイトセンタの吉村健二郎担当課長は、「太陽光発電所の規模や顧客の要望に応じてカメラの台数を増やすこともできる。パッケージとして販売する予定だが、料金は検討中だ」と話す。