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NRパワーラボら、蓄電所の第三者所有検討

日本ガイシとリコーの合弁会社でVPP(仮想発電所)事業を行うNRパワーラボ(名古屋市、中西祐一社長)は2024年6月13日、大和証券グループの大和エナジー・インフラ(東京都千代田区、松田守正社長)と蓄電所運用の新事業の検討を始めると発表した。25年1月に岩手県内の蓄電設備併設型太陽光発電所で検証を始める。

同社らの新事業は、移設可能かつ第三者所有型の蓄電所運用だ。蓄電所保有会社が複数の蓄電所を所有・運用しつつ、要望に応じて再生可能エネルギー事業者や電力小売り会社、電力消費者へ蓄電所を貸与する仕組み。NRパワーラボは蓄電所の制御を担い、日本ガイシと大和エナジー・インフラは蓄電所保有会社の設立を検討する。

同社らはまず岩手銀行グループの協力のもと、岩手県内の出力800kWの〝非FIT〟太陽光発電所に合計出力500kW、蓄電容量2600kWhの4つの蓄電設備を併設、25年1月に実証試験を始める。当面は出力抑制対策や市場価格との値差で稼ぐアービトラージ(裁定取引)で収益化を図る模様だ。なお、リチウムイオン蓄電池とNAS(ナトリウム硫黄)蓄電池という特性の異なる2種類の蓄電池を併用していく。

NRパワーラボの中西社長は、「計画中の案件で採算が合わなくなっても、別の案件に蓄電所を移設すれば事業を継続できるはずだ。移設可能にすることで市場環境の変化に対応し、事業の予見性を高めていく」としたうえで、「3~5年の短期的なサービスの提供も可能だろう」と語る。

このほか、同社は静岡県や福島県、関東地方で蓄電設備を用いた実証事業を計画。いずれも蓄電設備を需要場所に設置し、NRパワーラボが制御する。保守を含む経済性を検証して26年の事業化に繋げる構えだ。

同社らは6月13日に都内で事業進捗説明会を開催。左からNRパワーラボの中西祐一社長、大和エナジー・インフラの松田守正社長、NRパワーラボの尾前秀樹シニアエンジニア

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