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山洋電気、再エネ設備用50kW級PCS開発

太陽光や風力、小水力などマルチ対応実現

電気機器製造の山洋電気は2024年5月28日、様々な再生可能エネルギー発電設備に接続できるPCS(パワーコンディショナ)を開発したと発表した。太陽光発電所のほか、風力発電所や小水力発電所、廃棄物発電所など、多様な再エネ発電設備で活用できる点が特徴で、24年6月3日から受注を開始した。

同社が開発したのは、定格出力49.9kWの三相PCS。単機能型で変換効率は95%以上、入力運転電圧範囲はDC200~600Vで、期待寿命は15年だ。最大の特徴は、複数の電力制御機能を搭載し、様々な種類の再エネ発電設備に対応する点だ。具体的には、太陽光発電所ではMPPT(最大電力点追従)制御を、それ以外の風力発電所や小水力発電所などでは発電機パワーカーブ制御を選択すれば、それぞれ専用のPCSとして利用できる。双方向インバータが採用されているため、リチウムイオン蓄電池用PCSとしても使用可能で、スケジュールによる充放電制御機能も搭載されてある。

また、自立運転時の出力は50‌kVAと平時と変わらないため、BCP(事業継続計画)対策としても使い易いほか、無線通信機能によって操作性もよい。

同社営業本部SANUPSビジネス担当の岡田耕治副本部長は、「自家消費用の太陽光発電だけでなく、小水力発電や風力発電の開発需要も底堅い。多様な再エネ設備に対応する機器ゆえ、部材の共通化が図れる。マルチPCSとして提案していきたい」と話す。

同社は、PCSの生産拠点を長野県上田市に構える数少ない国産メーカーで、10‌kW級から100kWのPCSまで複数の機種を生産。岡田副本部長は、「我々の強みは、顧客のニーズに合わせたカスタマイズ対応だ。小水力や風力などを含め、再エネ需要を捉えていきたい」と語る。

様々な再エネ発電所で使用可能なPCS『SANUPS(サナップス)W83A』

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