鹿児島・七ツ島で国内最大のメガソーラー稼働
出力70MW京セラ、IHIら7社参画
今年11月1日、鹿児島市七ツ島で国内最大となる出力70MWのメガソーラーが稼働した。事業主は、京セラやIHIなど7社が共同出資して設立した鹿児島メガソーラー発電(北村信夫社長)。11月4日には、京セラの稲盛和夫名誉会長やIHIの釜和明会長など関係者が参加し、神事と竣工記念式典を執り行なった。
「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」は、京セラ製多結晶シリコン型モジュール約29万枚、出力にして70MWを設置。2MW1ブロックの35ブロックで70MWを構成している。パネルの設置角度は20度で、桜島からの降灰や塵を自然降雨で流す仕組みである。
パワーコンディショナは独・SMAソーラーテクノロジー製500kWタイプを採用。架台は高耐食性亜鉛めっき鋼板を使用した。発電所の周りをフェンスで囲み、赤外線センサと防犯カメラを用いたセキュリティ体制を構築している。
同発電所の年間発電量は、一般家庭の電力消費量約2万2千世帯分に相当する7万8800MWhを想定しており、鹿児島県の消費電力の約2.2%を賄う量に相当する。
約127万㎡の発電所用地は、IHIが保有する遊休地。造船所の建設用地として鹿児島県から譲り受けた分譲地で、1985年より工場を操業していたが、2002年に閉鎖。その後、跡地の利用を検討していた。
メガソーラーの建設は、昨年9月3日に着工し今年10月31日に竣工、11月1日より売電を開始している。最も多い時で一日450~500人の作業員が工事に携わったという。
運営会社の鹿児島メガソーラー発電は、京セラとIHIのほか、KDDI、九電工、鹿児島銀行、京都銀行、竹中工務店の共同出資で設立された。発電所の運営は京セラが、建設は京セラソーラーコーポレーションと九電工、竹中工務店、保守は京セラソーラーコーポレーションと九電工が担当する。
総投資額は約270億円。このうち約234億円はプロジェクトファイナンスによるシンジケートローンで調達した。主幹事はみずほ銀行で、シンジケーションに鹿児島銀行や京都銀行、東京センチュリーリースなどが参加した。
11月4日に開催された竣工記念式典には、鹿児島メガソーラー発電の北村信夫社長をはじめ、京セラの稲盛和夫名誉会長と久芳徹夫会長、IHIの釜和明会長、KDDIの小野寺正会長、九電工の西村松次社長、鹿児島銀行の上村基宏頭取、京都銀行の高﨑秀夫頭取、竹中工務店の竹中統一会長CEOなどが参加。
来賓として、経済産業省資源エネルギー庁の木村陽一省エネルギー・新エネルギー部長や鹿児島県の伊藤祐一郎知事、鹿児島市の森博幸市長、みずほ銀行の宮崎智史常務執行役員などが招かれた。